金銭などの搾取を目的に売春や労働を強要する人身取引で、全国の警察が昨年1年間に摘発したのは44件(前年比同数)、46人(4人増)だったことが16日、警察庁のまとめで分かった。被害者は46人(3人減)。うち日本人は54.3%の25人で、統計がある2001年以降、最多となった。警視庁など17都道府県警が摘発した。被害者の内訳は10代が16人、20代が22人で全体の8割を占めた。最年少は日本人とベト
(上)赤字の責任を社員に押しつけ、障害年金を横領…働き手を使い捨てる日本社会の劣化 労働Gメンである労働基準監督官から、地域住民の相談をくみ取る町の弁護士「マチ弁」に転じた土井裕明さん。その「原点」は大学時代にあった。(聞き手 今村義丈) バイト三昧の大学時代 労働者の理不尽を経験 --労働基準監督官を務めながら弁護士に転身した 土井 実は監督官になる前から、いずれは弁護士に、と思っていたのです。監督官も、弁護士も、法律を武器に人を守る仕事で、それが職に就く動機にもなった。国家公務員試験を受ける時、法律の勉強をするでしょう? 進学した京大では経済学部でしたが、どうせ法を学ぶならとことん勉強して司法試験を目指したい、と。 --勉強が好きだった 土井 いや、実は大学時代はあまり勉強しなかったんですよ。いまは、もったいないことをしたなという反省もある。 --出身は函館(北海道)ですが、大学は京都
【マチ弁は元労働Gメン(上)】赤字の責任を社員に押しつけ、障害年金を横領…働き手を使い捨てる日本社会の劣化 労働Gメンと呼ばれる「労働基準監督官」だった土井裕明さんは二十数年前、地域住民の相談をくみ取る町の弁護士「マチ弁」に転じた。過酷な労働環境を苦にして若者が自殺に至るケースが相次いでいるいま、異色の経歴を持つ弁護士の目には、現状がどう映っているのか。(聞き手 今村義丈) 即戦力でなければ「使えない」…深刻でひどい状況 --若い女性社員の自殺問題を契機に大手広告代理店「電通」に11月、違法な長時間労働の疑いで家宅捜索が入りました。 土井 私が監督官だった約20年前と比べ、働く人がまるで使い捨てできる「安物の商品」のごとく扱われるようになってしまった、と感じます。実は私が最近、弁護士として担当した自殺問題も、電通の事案とかなり似ていました。 --どんな点ですか 土井 新人社員が追い詰められ
同性愛者や心と体の性が一致しない人など性的少数者(LGBT)への理解を広げようと、学校現場で模索が続いている。性の悩みを抱え保健室を訪れる子どもの姿や、当事者を招いた授業の取り組みなどが、3~5日に新潟県であった日本教職員組合の教育研究全国集会で紹介された。 昼休みに保健室によく来ていた高校1年の男子が、ある日突然言った。「僕、いつか女の子になりたいんです」――。 新潟県で養護教諭をしている30代女性は、これまでに勤務した中学や高校の保健室で出会った「性」に悩む生徒たちの姿を報告した。「学校現場ではLGBTの認知や理解はまだまだ進んでいない。具体的な事例を知ってもらうことで、身近な生徒の悩みに気づくきっかけになれば」との思いからだ。 「女の子になりたい」と話した…
東日本大震災の被災地に派遣され、急死した大阪府富田林保健所職員の男性(当時49)の遺族が、地方公務員災害補償基金に公務災害(労災)と認めるよう求めた訴訟の判決が6日、大阪地裁であった。内藤裕之裁判長は「業務と疾病に相当の因果関係があるとは認められない」として請求を棄却した。 判決によると、男性は保健所で運転手をしており、震災後、岩手県宮古市などの避難所を巡回する保健師らのチームの運転手として現地入りした。2011年4月3~7日のあと、5月12~16日の予定で派遣されたが、14日夜に滞在先のホテルで激しい頭痛を訴え、搬送先の病院で脳出血と診断され、20日に死亡した。妻は同基金大阪府支部に労災申請したが、12年8月に公務外と認定された。 判決は、運転は1日最長3時間ほどで、過酷な勤務とは認めがたいと指摘。高血圧の傾向や飲酒歴も踏まえ、派遣先での業務が著しく病状を悪化させるものではなかったと結論
平成26年に開設された性暴力被害者を支援する「性暴力被害者総合ケアワンストップびわ湖」(SATOCO)の相談件数が、急増している。滋賀県の担当者は「広報活動などで多くの人に知ってもらえるようになった」とするが、一方で浮上するのが24時間態勢で対応する相談員への負担の問題だ。「このままでは一人あたりの負担が大きくなりすぎる」として、増員を求める声も上がっている。 SATOCOは、性犯罪や性暴力の被害者のケアを一元的に対応するため、県と県警、NPO法人「おうみ犯罪被害者支援センター」、県産婦人科医会が26年に設立。被害者からの相談の電話やメールに対し、二次被害が発生しないよう専門の講習を受けた看護師らが、休日平日問わず、24時間体制で受け付けている。 県内の薬局で案内広告板を置くなどの広報活動を行って徐々に認知度は高まりつつあり、26年度の相談件数は363件だったが27年度は733件と倍増。さ
第6章「守るために」(1) 「お母さんがごはんをつくる回数が減った。もっと作ってほしいけど、あんまり無理を言うとお母さんが困るから言わない」 ワーカー(児童福祉司)のミエコ(仮名)は小学生の息子が書いた作文を読み、胸が張り裂けそうになった。 もともとは保育士として働いていた。児童相談所(児相)の虐待対応チームに入って2年目の40代。10歳から18歳まで3人の子の母親でもある。 児相は1日24時間、365日対応だ。児相が閉まる週末や祝日は、緊急対応する当番を決める。当番のワーカーは休日でも基本的には家にいて、いつ連絡があっても対応できるようにしている。 最近、公用の携帯が鳴ると、子どもがびくっと反応するようになってしまった。母親が緊急で呼び出されることがわかっているからだ。 平日も夜の9時、10時の帰宅はふつう。それから作り置きしておいたおかずと、ゆでたうどんで子どもたちと夕食ということも珍
知的障害のある従業員3人を、最低賃金を大きく下回る給料で住み込みで働かせていたとして、東京のクリーニング会社が最低賃金法違反などの疑いで、25日、労働基準監督署から書類送検されました。 八王子労働基準監督署によりますと、この会社はおととし8月、クリーニング工場で働いていた知的障害のある従業員3人を、最低賃金を大きく下回る給料で働かせていたとして、最低賃金法違反などの疑いが持たれています。 当時の東京の最低賃金は時給888円で、フルタイムで働いた場合の1週間の賃金は3万5000円余りでしたが、3人はそれを上回る労働時間だったのに、週に2000円から4000円しか支払われていなかったということです。 3人は住み込みで、工場で衣類を洗濯したりたたんだりする作業を行っていたということで、労働基準監督署には「最低賃金以下で働かされている」との情報が寄せられていました。 労働基準監督署の調査に対し、会
遺族年金の支給認めず=性同一性障害で自殺-広島地裁 山口県岩国市の女性会社員=当時(29)=が自殺したのは、性同一性障害を理由に退職を強要されたからだとして、遺族が国を相手に遺族補償年金を不支給とした岩国労働基準監督署の決定取り消しを求めた訴訟の判決で、広島地裁(末永雅之裁判長)は25日、遺族の請求を棄却した。遺族側は控訴する方針。 判決によると、女性は2008年11月、勤務先の中古車販売会社の同僚に性同一性障害を告白。「会社の風紀を乱した」などとして解雇通知を受けた。女性は告白後にうつ病を発症し、09年1月に自殺した。 末永裁判長は「同僚に障害を告白したことは大きな心理的負荷だった」と認めたが、業務とは関連がないと判断。「一般的に性同一性障害の人はうつ病を発症しやすい」などとして、本人に自殺の原因があったと結論付けた。 遺族側の生越照幸弁護士は「性同一性障害の人の職場での居づらさが
新聞の配達の練習をするジャムールさん(右)。中央は新聞販売店を経営する瀬谷一世さん=栃木県鹿沼市で賀川智子撮影 内戦が続くシリアから逃れ、日本で仕事を求めていたマハムド・ムスタファ・ジャムールさん(36)が、昨年11月の毎日新聞の報道をきっかけに栃木県鹿沼市の新聞販売店で勤めることになった。「家族を呼び寄せるためにも一日も早く仕事を覚えたい」と新しい仕事に励んでいる。 雇用したのは毎日新聞などの販売店を経営する瀬谷一世(せや・かずよ)さん(37)。ジャムールさんは就労できる「在留特別許可」を得ているのに、日本語が壁になって仕事が見つからないことを伝えた昨年11月30日付夕刊(東京本社版)の記事を読み、「ジャムールさんを雇用することはシリアへの支援にもなる」と支援団体に連絡した。 面談で双方が雇用に合意。1月から日中は新聞広告の折り込み作業に従事し、週2日、市内の日本語教室に通っている。今後
全国の地方自治体の職員のうち3人に1人が非正規で、平均年収はおよそ200万円にとどまっていることが労働組合の調査でわかりました。 それによりますと、警察や消防、教員を除いた自治体の職員のうち、非正規雇用の職員は32.7%とおよそ3人に1人に上りました。平均の賃金は時給では988円、月給では16万9000円で、フルタイムで働いた場合の年収はいずれもおよそ200万円にとどまっています。 また、一般事務職や生活保護の受給者を支援するケースワーカー、それに、図書館職員の80%以上で昇給の制度がありませんでした。自治労は「非正規の賃金などの処遇は依然として低い水準が続いている」としてボーナスや手当を含めて労働条件の改善を求めていくことにしています。
ヤンキーの就労支援をする会社と、風俗店で働く女性(キャスト)のキャリア支援に取り組む団体が協力してサポートに乗り出すことになった。20日に東京都内で協定書締結式とトークイベントが開かれる。「ヤンキーとキャストに共通するのは、学歴、経済的な問題、世間から冷たい目で見られ身動きが取れないこと。タッグを組んでこの『障壁』を取り除きたい」と両団体は意気込んでいる。 協定を結ぶのは共に東京に拠点がある株式会社ハッシャダイと一般社団法人Grow As People(GAP)。ハッシャダイは元ヤンキーの久世大亮代表取締役(23)が設立。2015年から「よそもの・わかもの・ばかもの支援」を掲げ、中卒・高卒者の就労支援事業を始めた。仕事がない地方のヤンキーに東京の企業でのインターンを紹介している。
精神保健指定医の資格の不正取得に関わったとして今年10月に厚生労働省からこの資格取り消しを発表された精神科医89人のうち少なくとも3人が、国の判断は違法だとして処分取り消しを求める訴訟を起こしていたことが分かった。うちの1人の裁判の第1回口頭弁論が27日、大阪地裁(山田明裁判長)であり、医師側は「厚労省は非公表の基準で処分し、基準そのものも不合理で、行政手続法に反する」と主張した。 関係者によると、複数の医師が弁護士に対応を依頼しているといい、提訴が広がる可能性がある。
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