凶器になり得るとの偏見から一部の都道府県議会で傍聴席への持ち込みが禁じられてきた杖(つえ)が、今春にもすべての都道府県議会で持ち込み可能となる。全国都道府県議会議長会が先月、各議会のモデルとなる「標準傍聴規則」から杖の条項を削除したためで、杖の条項が残っていた県で規則改正作業が進んでいる。視覚障害者や高齢者にとっては杖は体の一部で、障害者団体などが要望しており、これが実った形だ。 元々の条文は「銃器、棒、杖その他、人に危害を加え、又は迷惑を及ぼすおそれのある物を携帯している者」の傍聴を禁じていた。このため、一昨年11月と12月、鹿児島と愛知の県議会で視覚障害者が白杖(はくじょう)を預けるよう求められる事案が発生。NPO法人「DPI(障害者インターナショナル)日本会議」が昨年3月、同議長会や衆参両院に規則改正を求めていた。
障害の有無にかかわらない共生社会の実現を目指す障害者差別解消法の4月施行を踏まえ、県議会は、視覚障害者の白杖(はくじょう)など、つえを傍聴席に持ち込めるよう傍聴規則を改正した。全国都道府県議会議長会の決定に基づくもので、視覚障害者団体などは「社会参加を後押しする」と歓迎している。【杣谷健太】 九州電力川内原発の再稼働に同意できるかを審議した2014年11月の臨時県議会。白杖を持った全盲の男性が議場の傍聴席に座ると、県議会事務局の職員が白杖を預かろうとし、周囲の傍聴者がそれに抗議するという事態が起きた。男性はそのまま白杖を預けずに傍聴したが、視覚障害者からは「(預けた場合に)火事や地震など緊急時の避難に困… この記事は有料記事です。 残り461文字(全文767文字)
合格率1割台の狭き門、介護支援専門員(ケアマネジャー)の試験に、全盲の八木秀樹さん(65)=奈良県平群町若葉台=が合格した。音読してもらった教科書をくり返し聞き込み、集中力を研ぎ澄まして難関を突破した。障害と福祉の制度の谷間で困っている人の役に立ちたい、と意気込んでいる。 大阪市の大手旅行会社で働いていた26歳の時、自動車事故が原因で失明した。社会復帰のためにと生駒市でお好み焼き店を開いて10年ほど営んだ。父の急死を機に、44歳で県立盲学校の専攻科に入り、3年後にはり師やきゅう師などの国家資格を取った。中国整体なども学んで平群町の自宅で治療院を開院。所定時間を超えても納得いくまで治療する姿勢が評判で、遠方から訪れる人も多かった。 3年前、同居している母親が難病で車いす生活になったため、仕事を休んで身の回りの世話をした。介護保険サービスを利用したが、制度が複雑でたびたび戸惑ったという。 障害
札幌市の秋元克広市長は21日の定例記者会見で、「手話・障がい者コミュニケーション促進条例(仮称)」を制定し、来年4月の施行を目指す考えを表明した。情報の取得や伝達が難しい市民が社会参加しやすい環境の実現が狙い。全国で制定が進む手話条例を発展させて、手話に加え、点字や要約筆記、絵文字など障害者への情報提供手段を多様化したい考えだ。 同様の条例は、兵庫県明石市や千葉県習志野市でも制定されているが、政令市で検討を始めるのは全国初という。 市は、27日に障害者団体の代表者や学識経験者らで組織する検討委員会を設置し、秋頃までに条例案の素案を策定する方針。委員会では、手話を言語と明文化した上で、情報提供手段の多様化に向けた具体的な方策などが話し合われる。条例案は来年2月に開会予定の定例市議会への提案を目指す。 新条例について、秋元市長は「全ての市民が障害の有無にかかわらず、相互に人格と個性を尊重しなが
「2020年渋谷。超福祉の日常を体験しよう展」開催 本展示会に協力、視覚障がい者支援のお知らせAR技術を使った音声読み上げアプリ「聞こAR」、テキスト情報を音声で読みあげ サイバネットシステム株式会社(本社:東京都、代表取締役:田中 邦明、以下「サイバネット」)は、NPO法人ピープルデザイン研究所(代表理事:須藤 シンジ氏、以下「ピープルデザイン」)主催の「2020年渋谷。超福祉の日常を体験しよう展」に協力し、聴覚AR システム「聞こAR(キコエール)」を出展することをお知らせします。 サイバネットは、プランナーであるProton2 Design Associates代表の堀内陽子さんの声掛けにより、一般の印刷物の上に透明な点字や触図を重ねて印刷する技術を持つ欧文印刷株式会社(以下「欧文印刷」)とともに2014年に「聞こAR」を開発し、視覚障がい者支援を行ってまいりました。 =======
16日に行われた欧州チャンピオンズリーグ(CL)のリバプール-ルドゴレツ戦で、ユニホームの色が両チームともにそれぞれ全身赤(リバプール)と緑(ルドゴレツ)だったため、テレビを観戦していた色覚障害(主に赤系統や緑系統の色の弁別が困難)の人たちから苦情が出たと、18日付の英紙サンが報じた。 この試合を英国の民放ITVが放送。観戦した人は「緑色のピッチ、緑色と赤色のユニホーム、全てが同じに見える。頭が浮いているみたいだった」とツイッターに書き込んだ。さらに「悪夢みたいだ。頭が痛い」とツイートする人もいたという。 今回の件で、色覚障害という病気を多くの人に認知してもらうための活動をしているワードさんは「苦しんでいる人たちは大抵の場合、無視される。苦情が出てきたことは私たちにとって驚きではない」と、色覚障害者に配慮がないことを嘆いた。 また、イギリスでは色覚障害の割合は、男性で12人に1人、女性では
JR川越駅(埼玉県川越市)前のコンコースで、登校中の全盲の女子生徒が足を蹴られて負傷した事件で、埼玉県警は12日、同県狭山市内の障害者支援施設に入所する男性(44)を容疑者と特定し、任意で捜査していると発表した。男性には知的障害があり、認否について明確な供述が得られていないという。県警は、男性の刑事責任能力の有無も含め、慎重に調べる方針だ。 県警によると、現場の防犯カメラや複数の目撃情報などから、男性が関与した疑いが強まったと判断したという。 女子生徒は8日午前7時50分ごろ、改札口を出て白い杖を頼りに点字ブロックの上を歩いていた際、前方から近づいてきた人に杖がぶつかり、その直後、右ひざの裏を蹴られ、約3週間のけがを負った。 県警の発表を受け、女子生徒の… こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みい
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