数字を暮らしに生かす「数学的素養」が低下している現状を改善しようと、大阪府立大(堺市)は2012年春から、文系の全学生に教養科目で数学の単位取得を義務付け、卒業まで数学力が衰えないよう自己管理させる。 文部科学省は「文系全学生に数学を必修にする大学は聞いたことがない」という。大学全入時代を迎え大学教育が易しくなる傾向の中、入学を敬遠する受験生が出る恐れもあるが、あえて数学を身に着けさせて社会に送り出すための取り組みといえる。 12年春予定の学部再編で現在の経済、人間社会両学部(学生数約2100人)が統合される「現代システム科学域(仮称)」の学生が対象。受験生には一般入試で数学を課し、新入生は高校2年程度の数学を復習した後、文系学生の多くが高校時代に選択しない微分積分や線形代数(行列)を学ぶ。これらの単位を取らないと卒業できない。 2年で基礎的な統計学の講義を行い、到達度試験を実施。3、4年