「濁らないから。イバラキだから」当時付き合っいた彼女にそう言われるまで俺は「イバラギ」こそが正しい読みだと思ってきた。ネットに触れるようになって、「イバラキ」県へのこだわりが茨城県の人には強いとか、そんな風に言われるのはイヤだとか、いやそれこそが正しいのだと知ったのだけど、とうてい納得してはいないのだ。無論茨城出身者の前で「イバラギケン」などとは言わない。大人だから。嫁さんも茨城育ちだから。でも俺は「イバラキケン」という音を聞くたびにモヤモヤしたものが胸をよぎるのだ。今でも本当は「イバラギ」なんじゃないのかとどこか疑ってかかってしまうのだ。 馬鹿にしているつもりは一切ない。そもそものきっかけはコミックボンボンによるすり込みにある。 もとはしまさひでの「V8キッド」という作品をご存知だろうか。当時クルマに何の興味もなかった小学生の俺には作品の内容もキャラクターも何一つ印象に残ってはいない。マ