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史料批判とはの検索結果1 - 40 件 / 45件

  • 中世のペストに関する3つの誤解 – 大貫俊夫研究室

    この記事は、中国、モンゴルから中東を経て、1347年から1352年にかけてヨーロッパで蔓延したペスト(黒死病)、いわゆる大ペストについて、3つの誤解を解こうとするものである。いや、そんな誤解はしていないという人もいるかもしれないが、COVID-19にともないこの中世のペストが引かれることが多くなったので、あえてこのタイミングでまとめておきたいと思う。 本題に入る前に、この記事の内容を調べることになった経緯を説明しておきたい。 僕が所属する東京都立大学では、3月後半に予定されていた多くの卒業イベントが中止、ないし大幅に縮小して実施となり、卒業生と名残を惜しむ時間もほとんどなかった。さらに、オリンピックの延期が決まった頃、新学期の授業開始もゴールデンウィーク明けに延期となった。この間学生はほったらかしとなり、とくに新入生は1度もキャンパスに足を踏み入れることもできず、東京都の方針を受けて、引っ

      中世のペストに関する3つの誤解 – 大貫俊夫研究室
    • 呉座勇一「戦争の日本中世史」新潮選書2014.1. - 旧tototo

      同じ著者の「応仁の乱」が面白かったので読んでみたところ、だいぶ若書きというか暴走気味で「学術的な歴史本」としては微妙なのだけども、それゆえに興味深いところがあるなあと思ったので、主にそちらについて。 「応仁の乱」のほうは漠然とした総論で大づかみに語られる日本史上の一大エポックを細かい事件経過で綴るというもので、こちらは著者のやるべきスタイルが確立した、とても良い本だった。 一方、それ以前に書かれてるこちらの本は、たぶん若手が張り切りすぎて空回りしてるんだろうなあ、もしくは時間も準備もないまま慌てて書いてしまって取り繕いようがない、という感じの力み具合があって、個別の記述は面白いところも多々あるんだけれども、全体をまとめようとして導入した視点というか史観が「戦後のマルクス主義階級闘争史観の批判」で、著者自身も「本書は非常に偏っている」とか「一種の思考実験」とかエクスキューズを述べてるんだけど

        呉座勇一「戦争の日本中世史」新潮選書2014.1. - 旧tototo
      • 歴史上の人物は何をもって実在と見做すか

        例えば織田信長なんかは、今生きている人は誰もその姿を自分の目で見たことがないはずであるが、実在していたことは疑いようのない事実であると認識している。 これがスティーブ・ジョブスだったりすると、ウェブ・テレビ・新聞など様々な媒体で目にしたことがあるので、実在していたことは疑いようがない。 しかしながら、だんだん過去に遡っていくと、文献など客観的な傍証でしか確認できなくなっていくはずである。 wikipediaを見てみると、天皇についても「実在を認められないか強く疑われる名が多い」とあり、どこかの段階で実在/非実在の線引きがなされている。 先程の織田信長の例だと、我々は例えば歴史の教科書に記載されていることを事実として受け止めているはずである。 しかし、その教科書に記載されている事実についても、何らかの客観的な文献等に基づいて事実認定されているはずである。 その辺りの判断について確認できるよう

          歴史上の人物は何をもって実在と見做すか
        • 帝王切開の語源の項目を数年前に執筆した当人である、雑兵ウィキペディア..

          帝王切開の語源の項目を数年前に執筆した当人である、雑兵ウィキペディアンが通ります。 誰も悪くないって元増田は言ってるけど、これはイシドールスが悪いよ。 カエサルという語はユリウスに由来する。内戦が勃発するや、彼はローマの貴族として最高の地位を得た。他方で彼は死んだ母の切り取られた(caeso)胎内から引き出されたために、もしくは生まれつき豊かな髪(caesarie)を靡かせた子供だったために、カエサルとも呼ばれた。それ以来、彼の跡を継いだ皇帝たちもカエサルと呼ばれることになった。そして切り取られた子宮から取り出された者は、Caeso あるいは Caesar と呼ばれることになった。 — イシドールス、『語源』第9巻 3章 12節 カエサルが帝王切開で生まれたってのも嘘(というか、語源の因果関係が逆)だし、フッサフサだったってのも嘘。与太話すぎるっしょ。 イシドールスの『語源』は、数々の言葉

            帝王切開の語源の項目を数年前に執筆した当人である、雑兵ウィキペディア..
          • 青木健『ペルシア帝国』(講談社現代新書 2020年)の諸問題|アザラシ

            「ひどいよドクロちゃん。何がひどいって全部ひどい」 (OVA「撲殺天使ドクロちゃん」第2期4話より) この記事ですが、タイトルに掲げました通り、青木健『ペルシア帝国』(講談社現代新書 2020年)を読んでの感想や批評、および古代ギリシア史を学んだ人間からのツッコミです。 『ペルシア帝国』がお手元にあって、なおかつどんな問題点があるかを把握したいという人向きの記事ですので、「面白ければヨシ!」という方にはオススメしません。 また、私の専門分野の都合上、本書全体の4分の1程度、アカイメネス朝に関わる部分のみを批判の対象としています。これ以外の時代・地域の問題点を把握したい方は以下の記事やレヴューが参考になります。 ・春田晴郎先生の連続ツイート https://twitter.com/HarutaSeiro/status/1307841405193080832 ・「青木健著『ペルシア帝国』で確認

              青木健『ペルシア帝国』(講談社現代新書 2020年)の諸問題|アザラシ
            • nix in desertis:2021受験世界史悪問・難問・奇問集 その2(共通テスト・国公立大編)

              昨日の続き。今年は共通テストと阪大・一橋大の計3問のせいで公開が1週間遅れ,おまけを作る気力が消滅したと言っても過言ではない。何なら一橋大の方はまだ原稿が完成しておらず,後に追記するか別記事を立てる可能性がある。解説が非常に長くなったので,心して読んでほしい。 1.共通テスト第2日程 <種別>分類不能(しいて言えば作図の指示ミス) <問題>1 B オーストリアの貴族クーデンホーフ=カレルギーは,1923年に『パン=ヨーロッパ論』を著し,ヨーロッパ統合運動を展開した。彼は世界が五つのブロックに分かれて統合されていくと考え,ヨーロッパも「パン=ヨーロッパ」として統合されるべきだと主張した。その際,欧米諸国の持つ世界中の植民地も,それぞれのブロックに統合されると考えた。次の図1・図2は,『パン=ヨーロッパ論』所収の地図を加工したものであり,縦線や横線,斜線,点などで地域がブロック別に示されている

              • 歴史学者はいかに過去を捏造するのか:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える⑩

                IT・メディアconcept you are not you how others see you how you see yourself 私はポストドクターを入れると大学院に5年半在籍し、続けて地方公立大学の准教授として7年半教鞭をとったので、通算すれば13年間は「歴史学者」として仕事をしたことになる。その最中から歴史学の教育にまつわる営みが、ひとつ間違えば危険なものにも転じうる可能性をずっと感じていた。 たとえば一般の読者が本選びのヒントにするのは、帯や惹句、あとがきや解説だと思うが、歴史学者は手にとった書籍のうち、最初に「注」を見る癖を持つ人が多い。主張の典拠として一次史料を引用した場合、(専門書では)出典表示のために必ず注をつけるので、まずはざっと注だけを一覧すれば、その本がどの程度「オリジナルな研究か」をつかめるからだ。 しかしこれを悪用すると、中身もないのにとにかく注ばかりを

                  歴史学者はいかに過去を捏造するのか:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える⑩
                • 京大・緊縛シンポの研究不正と学術的問題を告発します①ことの始まり|河原梓水

                  はじめに はじめまして。日本のサドマゾヒズムとSMを研究している、福岡女子大学国際文理学部国際教養学科講師の河原梓水(かわはらあずみ)と申します。専門は、日本史、歴史学です。 昨年11月、シンポ動画の取り下げをめぐって「炎上」した、京都大学主催シンポジウム「緊縛ニューウェーブ×アジア人文学」(2020年10月24日・京都大学吉田キャンパスで開催。以下、緊縛シンポ)に関して、私はシンポへ批判文を送った者であること、そして、この件について適切な発言ができるのは日本で私のみであろうということから、義務感を感じ、この度ネットの世界に降り立ちました。以下書く内容は、研究者としての私個人の責任によって行うもので、所属先とは関係ありません。 私は、2020年10月24日(土)に行われた緊縛シンポに対面で参加し、その後シンポ内容に関する批判文を主催者に送りました。 シンポで研究者たちが語った内容の学術的誤

                    京大・緊縛シンポの研究不正と学術的問題を告発します①ことの始まり|河原梓水
                  • 司馬遼太郎人気を支えた「大衆歴史ブーム」はなぜ生まれたのか?福間良明『司馬遼太郎の時代 歴史と大衆教養主義』 - 明晰夢工房

                    司馬遼太郎の時代-歴史と大衆教養主義 (中公新書 2720) 作者:福間 良明 中央公論新社 Amazon 「司馬さんの書かれるものは日本外史とでも呼ぶべき種類の史書ではあるまいか」とは、有吉佐和子の『坂の上の雲』評だ。このように、司馬遼太郎作品はたんなる歴史小説の枠をこえ、一種の教養本として読まれている。司馬作品は物語中にしばしば「余談」がさしはさまれ、そこでは司馬の政治や軍事、世論などへの見解が自在に語られる。こうした特徴は吉川英治や山岡荘八といった、それまでの歴史作家の作品にはないもので、読者の歴史への知的関心をかきたてるものだった。なぜ司馬の「歴史教養本」は時代に求められたのか。『司馬遼太郎の時代 歴史と大衆教養主義』によれば、司馬作品の人気を支えていたのは、昭和50年代に起きた「大衆歴史ブーム」だという。 昭和50年代に司馬作品を愛読していたのはおもに中年男性だが、かれらは教養主

                      司馬遼太郎人気を支えた「大衆歴史ブーム」はなぜ生まれたのか?福間良明『司馬遼太郎の時代 歴史と大衆教養主義』 - 明晰夢工房
                    • 我が家の系譜 - 差替文庫

                      長い前置き ようやくの本題 四代 重隆/太郎右衛門 五代 重政/文右衛門 六代 重時/文右衛門 七代 成弼/惣介 八代 雄鎮/文右衛門 九代 信昌/文之進 十代 信就/正蔵 十一代 重騏/武一郎(自笑) 十二代 文/文右衛門 長い前置き 我が家には、代々伝えられてきた「系譜」なるものが存在する。 そして、この系譜によれば、親の親のまたその親の……と遡ってゆくと、織田信孝に行き当たる。つまり系譜を信じるならば、私は「織田信長の末裔」ということになる。 幼い頃に祖父や父からそのように教わったこともあって、これまで織田信長には、それとなく「ご先祖さま」として親しみを覚えてきた。コーエーのSLG『信長の野望』をプレイするにあたっては、まず織田家から始めるくらいには。 思えば、これが歴史に興味を持つキッカケだったのかもしれない。 系譜 系譜の記述によれば、話はこうなる。 織田信孝は、大脇定秀の娘を娶

                        我が家の系譜 - 差替文庫
                      • 新書『帝国図書館』執筆余録~年表のはなし|negadaikon

                        拙著『帝国図書館―近代日本の「知」の物語』(中公新書)をお買い上げくださった方、すでにお読みいただいた方、どうもありがとうございます。本当に感謝しております。 本書刊行後、何人かの友人から、どうやって書いたのか、どのくらい時間をかけたのか聞かれました。その回答かたがた、執筆余録として書き残しておこうかと思います。 執筆期間ですが、準備期間含めて入稿まで3年半、本腰入れて書き始めてからはだいたい1年弱です。 準備期間として、まず年表作成にかなり時間がかかりました。 本書のあとがきにも書いたとおりですが、この本は帝国図書館文書『上野図書館沿革史料集』の記事を一つ一つExcelに入力することから始めました。 これは、支部上野図書館時代の職員の方が、帝国図書館文書などを見て重要と思われた事項を抜き書きしたものです。 リンク先のデジコレの画面をご覧いただけるとわかると思うですが、1つの文献から複数の

                          新書『帝国図書館』執筆余録~年表のはなし|negadaikon
                        • 「彼の法」集団 - Wikipedia

                          「彼の法」集団(かのほうしゅうだん)は、13世紀前半から[1]14世紀前半にかけて[2]、荼枳尼天を本尊とし、「髑髏本尊」などの性的儀式を信奉した日本の密教集団。本来の名称が不明なため、宗教学研究者の彌永信美が便宜上このように命名した。この他、真言宗醍醐派の学僧柴田賢龍による、内三部経流(ないさんぶきょうりゅう)という名称もある。 真言立川流の心定(1215年 - ?[3])は、「彼の法」集団を邪教と批判し、『受法用心集』(文永5年(1268年)[4])を著して髑髏本尊などの儀式の詳細を明らかにし、これを糾弾した[5]。ところが、恵海『破邪顕正集』(弘安4年(1281年))によって、「彼の法」集団と立川流が混同されるようになり、「彼の法」集団を批判した心定を含む立川流[6]の側が、逆に淫祠邪教と誤認されるようになってしまった。さらに、高野山教学の大成者である宥快(1345年 - 1416年

                          • 木庭顕氏に聞く 古典の問題意識は読む側をも問う - 木庭顕|論座アーカイブ

                            「西欧近代」の成立には、古代ギリシャ・ローマの「古典」を連綿と読み続ける作業が必要不可欠だった――。朝日新聞の7月8日付朝刊「文化の扉」に掲載された「西欧近代 古典が源流」(朝日新聞デジタル版は「(文化の扉)西欧近代、古典が源流 古代ギリシャ・ローマの分析、多様な学問生む」)は、イタリア出身の20世紀の歴史学者、アルナルド・モミッリャーノ(モミリアーノ)の研究をもとに、「歴史学の歴史」の大きな流れを紹介した。記事のベースになった、歴史学者でギリシャ・ローマ史が専門の木庭顕・東京大学名誉教授とのやりとりからは、古典のテクストと向き合う精緻な読解から、近代の様々な学問領域が生まれる過程が垣間見えてきた。(聞き手・文化くらし報道部 大内悟史) 木庭顕氏に聞く 古典と近代の「複雑な関係」 木庭顕氏に聞く 立体的な思想史を描き出す ――史料を取り扱う具体的な作業はどのように進んだのでしょうか。やはり

                              木庭顕氏に聞く 古典の問題意識は読む側をも問う - 木庭顕|論座アーカイブ
                            • 2023年の本 - Valdegamas侯日録

                              例年通り新刊本の振りかえりである。毎年、書き出しは色々と言い訳を書き連ねるのがならいであるが、2023年は公私ともに色々落ち着かず、読書への差し支えが顕著にあった。評判となった本で買いはしたが読めなかったという本も少なくない。諸般の状況を勘案し、今回は例年より本を絞り込んで取り上げることとした。 ■日本政治・外交 境家史郎『戦後日本政治史―占領期から「ネオ55年体制」まで』(中央公論新社[中公新書]) 中山俊宏『理念の国がきしむとき―オバマ・トランプ・バイデンとアメリカ』(千倉書房) 竹内桂『三木武夫と戦後政治』(吉田書店) 『戦後日本政治史』は副題通り、約80年の戦後政治史を300頁余りで描ききったもの。著者自身が断わるように、戦後政治理解の「筋書」を読者が得ることを目的とした本で、簡潔で要を得た新書らしい新書という内容となっている。とはいえその記述は無味乾燥どころか特色を明確に持つ。5

                                2023年の本 - Valdegamas侯日録
                              • 論文やレポートを書く時に - 暮らしと勉強、猫と一緒に~Bettyのブログ

                                私はブログをやっています。 更新頻度が遅いですが、インスタもやっています。 更新全くしていませんが(笑)、Facebookも一応やっています。 こういったSNSに慣れていると、つい「私語り」に慣れてくるのですが、論文やレポートにおいて「私語り」をしてはいけません。 「私語り」とは、たとえば、「私は思う」などの文章です。 推論のように書いて、ごまかしているのです。 史料ではなく、ネット情報で論文やレポートを書くと自信がありません。 自分の意見ではなく、事実を書くことが必要で、そのためには裏付けをとらなくてはなりません。 事実とは、然るべきテキストや調査によって審議を客観的に確認できるものです。 意見とは、推論、判断も含みます。 根拠を示さずに、ある前提に基づいての推理の結論をだすことです。 「~と思う」「~らしい」「~そうだ」といった文章で書くことは、ブログではよいのですが、論文やレポートを

                                  論文やレポートを書く時に - 暮らしと勉強、猫と一緒に~Bettyのブログ
                                • 陸軍中野学校指導下の沖縄秘密戦からコロナ騒動まで。批判的思考を奪う行為に対しては、日ごろから立ち向かうこと! - 集英社新書プラス

                                  陸軍中野学校指導下の沖縄秘密戦からコロナ騒動まで。批判的思考を奪う行為に対しては、日ごろから立ち向かうこと! 第二次世界大戦末期、沖縄北部では住民を巻き込んだ秘密戦が展開されていた。 山中でゲリラとして米軍と戦ったのは「護郷隊」という少年兵たち。 彼らに秘密戦の技術を教えたのは陸軍中野学校出身の青年将校たちだった。 住民虐殺、スパイリスト、陰惨な裏の戦争は、なぜ起きたのか? これまで被害の側面が強調されていた沖縄戦史。その最暗部に光を当て、加害と被害がまじりあう実態を直視したのが三上智恵氏(ジャーナリスト、映画監督)の映画「沖縄スパイ戦史」(共同監督:大矢英代)であり、映画に収まらなかった膨大な証言と追跡取材を一冊にまとめたのがこの度刊行された 集英社新書『証言 沖縄スパイ戦史』だ。 破局的な失敗の本質とは何だったのか? それを避けるにはどうしたらいいのか? 現在新型コロナ・ウイルス騒動に

                                    陸軍中野学校指導下の沖縄秘密戦からコロナ騒動まで。批判的思考を奪う行為に対しては、日ごろから立ち向かうこと! - 集英社新書プラス
                                  • 「暗殺の文化」が照らしだす日本の民主主義:前田亮介 | ブックハンティング | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト

                                    昨年7月の安倍晋三元首相暗殺、そして今年4月の岸田文雄首相暗殺未遂と、令和の日本で物騒な事件が立て続けに起こっている。 このような世情のなか、歴史社会学者の筒井清忠氏が『近代日本暗殺史』(PHP新書)を刊行した。同書で筒井氏は、明治と大正の暗殺事件を分析するとともに、日本において暗殺に同情的な文化ができた歴史的背景についても考察している。 はたして、日本の民主主義において、そのような「暗殺の文化」はいかなる影響を及ぼしているのか――。日本近代史の研究者で、北海道大学准教授の前田亮介氏が、『近代日本暗殺史』を読み解きながら、暗殺とデモクラシーの関係について考察する。 * * * 正攻法による「日本型暗殺史」の再構成 政治的要人の暗殺は、日本政治外交史でこれまで空白として残されてきたテーマである。井伊直弼が、伊藤博文が、原敬がもし暗殺されていなかったら、歴史はどのように変わっていたかという思考

                                      「暗殺の文化」が照らしだす日本の民主主義:前田亮介 | ブックハンティング | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト
                                    • 歴史学の作法 - 東京大学出版会

                                      著者 池上 俊一 著 ジャンル 人文科学 > 歴史 発売日 2022/12/26 ISBN 978-4-13-023080-3 判型・ページ数 四六 ・ 312ページ 定価 3,190円(本体2,900円+税) 在庫 在庫あり 歴史とは何か、そして史料とは何か。ヨーロッパ史研究を牽引してきた著者が歴史学のさまざまな手法を解説、学問の基本と作法を平易に説く。歴史教育の現状も視野に入れ、私たちがこれからすすむべき道を示す。概論を学びたい学生や、歴史を見る眼を養いたい社会人にも最適。 【「はじめに」より】 歴史学の方法に関しては、もうほとんどのことは言い尽くされているし、後は誰が何を書いてもあまり代わり映えしない(…)ようにも思えるが、昔ながらの史学概論や、さまざまな新潮流のたんなる紹介にとどまらない、 もう一歩踏み込んだ主張をする余地は、まだ残っているのではなかろうか。 つまり、グローバル化す

                                        歴史学の作法 - 東京大学出版会
                                      • 木庭顕氏に聞く 古典と近代の「複雑な関係」  - 木庭顕|論座アーカイブ

                                        「西欧近代」の成立には、古代ギリシャ・ローマの「古典」を連綿と読み続ける作業が必要不可欠だった――。朝日新聞の7月8日付朝刊「文化の扉」に掲載された「西欧近代 古典が源流」(朝日新聞デジタル版は「(文化の扉)西欧近代、古典が源流 古代ギリシャ・ローマの分析、多様な学問生む」)は、イタリア出身の20世紀の歴史学者、アルナルド・モミッリャーノ(モミリアーノ)の研究をもとに、「歴史学の歴史」の大きな流れを紹介した。ただ、紙幅の都合から記事で触れることができなかった論点も多い。記事のベースになった、歴史学者でギリシャ・ローマ史が専門の木庭顕・東京大学名誉教授とのやりとりの全体を紹介する。(聞き手・文化くらし報道部 大内悟史) ――とても大きな質問から始めますが、「西欧近代」あるいは「近代」にとって、古代ギリシャ・ローマの影響は極めて大きいものだと言われます。でも、考えてみればこれは少々不思議な話だ

                                          木庭顕氏に聞く 古典と近代の「複雑な関係」  - 木庭顕|論座アーカイブ
                                        • 『麒麟がくる』第34回~松永久秀の魅力爆裂 - 暮らしと勉強、猫と一緒に~Bettyのブログ

                                          史料批判という言葉をご存知でしょうか。 史料批判(しりょうひはん、ドイツ語: Quellenkritik)とは、歴史学を研究する上で史料を用いる際、様々な面からその正当性、妥当性を検討することである。 19世紀ドイツの歴史家レオポルト・フォン・ランケの提唱による歴史学研究法を指す。Wikipediaより引用 史料を批判的に読むことで「真実」を見極めることができる場合があるというのです。 史料を鵜呑みにしては、主観を排除して事実を追求することはできないのですね。 信長に関する史実は『信長公記(しんちょうこうき)』に頼るところが大きいのですが、『信長公記』の著者は、信長旧臣の太田牛一。 信長の旧臣が記録した著書ですから、信長贔屓に描かれていることを念頭におかなければならないのです。 そんな『信長公記』によると、比叡山焼き討ちの本質は… その前に、第34回「焼討ちの代償」のあらすじからいってみま

                                            『麒麟がくる』第34回~松永久秀の魅力爆裂 - 暮らしと勉強、猫と一緒に~Bettyのブログ
                                          • 歴史修正主義研究〜社会問題の疑似科学

                                            歴史修正主義とキャンセル・カルチャー X.M. 社会科学研究家, 2022.3.23 1. 歴史修正主義研究 第2次世界大戦が終了して既に70年が過ぎ、 世界においてはもう歴史認識問題が話題にされる事はほとんどなくなりました。 しかし日本においては、この歴史問題が何故か一向に解決する見込がありません。 「歴史認識問題」とは本来であれば、 単に「歴史の真実」を誰もが納得できるような形で明らかにするだけで解決するはずの問題です。 それに現代史とは古代史と違って歴史資料が大量に残されており、 「歴史の真実」に辿り着くのは比較的容易であるはずです。 それなのに一体どうして日本においては「歴史の真実」を誰もが納得できるような形で明らかにする事ができないのでしょうか? これには日本社会の特徴に関連する、何か構造的な社会問題が有りそうです。 歴史問題が袋小路に陥ってしまい解決できない本当の原因とは、 一

                                            • 『非国民な女たち~戦時下のパーマとモンペ』 - 暮らしと勉強、猫と一緒に~Bettyのブログ

                                              大学の先生に薦められた本です。 飯田未希さんの著書『非国民な女たち』です。 春先に購入したのですが、ようやくじっくり読めました。 目次 私たちが知るドラマからの戦時中の女性たち 国防婦人会 本当に女性たちはパーマをかけずにモンペを履いていたのか 戦時中のパーマネント事情 女性のモンペスタイル 美を求める女性たち 私たちが知るドラマからの戦時中の女性たち NHKBSプレミアムで朝再放送している連続テレビ小説『あぐり』 主人公のモデルは美容師吉行あぐりさんです。 戦時下、美容院を経営していた主人公あぐりは、国防婦人会の女性を始め、世間から「パーマネントはやめませう」と非難されます。 そして泣く泣く、パーマネントの機会を手放す…というストーリーです。 『あぐり』だけではなく、多くの戦争中を扱ったドラマでこういった光景が描かれます。 国防婦人会 8月14日の夜9時からNHKスペシャルで『銃後の女性

                                                『非国民な女たち~戦時下のパーマとモンペ』 - 暮らしと勉強、猫と一緒に~Bettyのブログ
                                              • 3D学術編集版:人文学の研究成果/研究環境としての3D構築 - digitalnagasakiのブログ

                                                このところ、3Dに関する取り組みがデジタル・ヒューマニティーズの世界でも見られるようになってきました。この週末には人文学と3Dをテーマとしたイベントも開催されるようで、いよいよ盛り上がりが始まる気配を感じさせます。 ではデジタル・ヒューマニティーズにおいて3Dがどういう風になっているのか、ということをちょっと見てみますと、どうも最近、Susan Schreibman先生(今はオランダのマースリヒト大学)がかなり凝っておられるようで、 充実した論文を2つ、Costas Papadopoulos氏とともに2019年にオープンアクセスで刊行しておられます。Towards 3D Scholarly Editions: The Battle of Mount Street Bridge と Textuality in 3D: three-dimensional (re)constructions a

                                                  3D学術編集版:人文学の研究成果/研究環境としての3D構築 - digitalnagasakiのブログ
                                                • 循環報告 - Wikipedia

                                                  循環報告が生じ得る、基本的な2つの経路。点線は、末端の読者には見えていない出典関係を示している。いずれの場合にも、一番上にある、起点となっている唯一の情報源しか存在していないにもかかわらず、一番下にある末端の読者には、2つの独立した典拠が存在するように見えてしまう。 循環報告(じゅんかんほうこく、英語: circular reporting)または虚偽の確認 (false confirmation) は、史料批判において、ある情報が多数の独立した典拠に由来するように見えながら、実際にはすべての大本は唯一の典拠に依存している状態のことである[1]。ほとんどの場合、問題は杜撰な情報収集の過程で起こる誤りに由来するが、一部の事例では最初の典拠が意図的に引き起こしていると考えられるものもある[2]。 この問題は、諜報活動[1]やジャーナリズム、学術研究など、様々な領域で起こる。特にミリタリー・イン

                                                    循環報告 - Wikipedia
                                                  • 納富信留『ギリシア哲学史』から始まる|古代ギリシャのヘルメス

                                                    本書は、資料論・方法論をふくむ最新の研究成果に目配りをし、これまでと大きく異なる枠組みと視点で、ギリシア哲学史の全体を俯瞰する試みである。(※納富信留『ギリシア哲学史』裏表紙より)序. 古代ギリシア哲学を扱う和書としては,内山勝利 編『哲学の歴史〈第1巻〉哲学誕生―古代1 』以来,約十年ぶりの通史です. 『古代ギリシア哲学史』(以下 本書)では初期ギリシア哲学から古典期の哲学までの通史です.さて,初期ギリシア哲学(※ソクラテス以前という語は近年用いない傾向)の研究分野では,2016年にエポックがありました.そのことについて始めに説明しておきましょう. 初期ギリシアの哲学者たちの著作は殆どが散逸(消滅)したために,彼らの著作そのものを読むことは叶いません.そこで彼らの思想を知るために,「資料集」¹を用いることになるのですが,その資料集が,ローブ古典叢書『初期ギリシア哲学』全九巻により,約百年

                                                      納富信留『ギリシア哲学史』から始まる|古代ギリシャのヘルメス
                                                    • 差替文庫

                                                      本文を書こう すべてのイラストの準備が完了したら、次は本文だ。 さすがに5歳児の長女はタイピングできないため、イラストと箇条書き形式のプロットを交互に確認しながら、長女が語った言葉を書き留める口述筆記形式をとった。 結果から言えば、思いの外、本文作成はスムーズに進んだ。 このあたりは、毎日のようにやっている「お話」遊びが功を奏したと感じている。これは絵本の読み聞かせに替えて、最近、寝かしつけの定番となっている遊びだ。 例えば「ウサギ、まんじゅう、宝石」のように一見すると関係のない「お題」を2つ3つ決めてから、その要素すべてを使った「お話(物語)」を即興で作るという極めてシンプルなルールの遊びである。ただし、参加者(大抵の場合は、長女と私で行われ、次女が入ることも増えてきた)が一節ごとにリレー形式で引き継がれていくため、展開が読めず油断ならない。ハッピーエンド至上主義者の長女は平和裏に事を運

                                                        差替文庫
                                                      • デマを流したのは誰か? こべに氏に抗議する - 孤立無援のブログ

                                                        目次 真偽不明の情報源 小山田圭吾の謝罪文 こべに氏によるフェイクニュース 作者の意図 サンプリングとパロディ まとめ 真偽不明の情報源 「新婚さんいらっしゃい!」という番組があります。 あれに出演した夫婦を知っていますが、「収録ではまじめなことも話したのに、オンエアでは全部カットされて性的なエピソードだけ使われた」と怒っていました。 あの手の番組は、編集によって面白おかしく作られていることは、誰でも知っています。したがって、あの手の番組の情報は信頼できません。 同じことは雑誌の記事についても言えます。 芸能人のインタビュー記事。その情報の真偽は、読者にはわかりません。 本人が嘘をついているかもしれない。誇張しているかもしれない、しゃべってないことをライターが加筆しているかもしれない、編集者が話の前後を入れ替えているかもしれない、あらゆる可能性が考えられます。 小山田圭吾のインタビュー記事

                                                          デマを流したのは誰か? こべに氏に抗議する - 孤立無援のブログ
                                                        • 『事実ならざる二本松落城哀史 生き物としての歴史 01』

                                                          昭和戦前期にサンデー毎日で「生きてゐる歴史」という、幕末から明治にかけての歴史的事件を実際に見聞した故老の談話筆記を連載していたことがありました。いまでいうオーラル・ヒストリーというものですが、これが酷いデタラメなのです。歴史を語り継ごうとした故老たちには悪意など感じられないのですが、でもいっていることは間違っています。いくつかの記事を御紹介しますから、史料批判の練習だと思っておつきあいください。 二本松藩家老丹羽掃部介の 四女が語る落城哀史 「サンデー毎日」昭和十五年七月七日號 ◆映畫「歴史」に登場する丹羽家老 慶應四年(一八六八)、江戸が開城された。 會津を盟主として奧羽の二十五藩は、德川幕府の大政奉還は、薩長土肥の陰謀たりとして朝意に背き、ここに會津追討の師が起こされた。 二本松藩主丹羽長國も連盟に加はつて、官軍と戰つたのであつたが、時の二本松藩の家老丹羽掃部介の四女ふじさんは、今な

                                                            『事実ならざる二本松落城哀史 生き物としての歴史 01』
                                                          • 「日本」を生んだ戦い、壬申の乱 - 暮らしと勉強、猫と一緒に~Bettyのブログ

                                                            壬申の乱。 「委(わ)(倭)」と呼ばれていたこの国が「日本」へと改めるきっかけとなった戦い。 大海人皇子と大友皇子が王位を争って戦った古代最大の内乱です。 その壬申の乱からおよそ50年後に成立した『日本書紀』に記された壬申の乱の経過によると。 大海人皇子は権力に野心がないことを示すために出家、吉野に隠棲していた。 都にいた大友皇子は大海人皇子を殺そうと企て兵を集め始めた。 そのため仕方なく大海人皇子も挙兵。 結果1か月後には大海人皇子の大勝利となった。 天武天皇元年7月23日に大友皇子は自決。ユリウス暦672年8月21日のことです。 1349年前の今日です。 こうして大海人皇子は天武天皇となるのです。 ■日本書紀の記載からみる「壬申の乱」■ 壬申の乱は大海人皇子の正当防衛であった❓ 『日本書紀』の記録を鵜のみにするとそうゆうことです。 ほんとかな? 記録というのは勝者(大海人皇子)の都合よ

                                                              「日本」を生んだ戦い、壬申の乱 - 暮らしと勉強、猫と一緒に~Bettyのブログ
                                                            • 【しらなみのかげ】近代の本質とは「宗教」への問いである #33|雁琳の『晦暝手帖』

                                                              初めに述べておきますが、この記事は考えている問題の核心に一通り触れながら書いている内に大部となりました。 この「しらなみのかげ」を桃の節句に久々に更新してから、又暫く時間が経った。 前回書いた如く、一昨年より我が抱負を一事業とせんとして走り続けてきた私の人生は、一月の末から二月の頭に掛けての間に共同事業者の一人、しかも立場上の責任者の背信行為に遭い、唐突なカタストロフを迎えた。奇しくもそれは、全てのリソースを使い果たした後のことであった。前回の記事は、心の中にそこから何とか立ち直る兆しが見えたことで書くことが出来たものであった。しかしながら、そこで語った「探究」と「創作」は、そこから三週間以上もの時間が経ってしまったことから判るように、中々思うように形に出来ていない。ここでも又、「ハビトゥス」を自分の中に再び養い直すことにこんなにも時間が掛かるのかと、己の不甲斐無さを自覚すると共に、真に忸

                                                                【しらなみのかげ】近代の本質とは「宗教」への問いである #33|雁琳の『晦暝手帖』
                                                              • 「道教と古代日本文化」ブームの聖徳太子論の誤り: 間違いを放置して良いか - 聖徳太子研究の最前線

                                                                拙論「聖徳太子伝承中のいわゆる『道教的』要素」(『東方宗教』115号、2010年5月)は、「いわゆる」という語が示しているように、「道教的だと称している人たちもいるが、実際には違う」ということを明らかにしようと試みたものです。昨年の日本道教学会の学術大会で発表した内容に少々訂正を加えました。趣旨は変わっていません。 発表では、「徳」の下に「仁・礼・信・義・智」の形で五常を配する冠位十二階の特異な順序は、六朝時代に成立した道教経典、『太霄琅書』に基づくとする福永光司先生の論文、「聖徳太子の冠位十二階--徳と仁・礼・信・義・智の序列について--」(福永『道教と日本文化』、人文書院、1982年)を取り上げて批判しました。『太霄琅書』から自説に都合の良い箇所だけを切り貼りしており、しかも、原文のうち三箇所も省略しておりながら、「……」や(中略)などによってそれを示していないことを指摘したのです。「

                                                                  「道教と古代日本文化」ブームの聖徳太子論の誤り: 間違いを放置して良いか - 聖徳太子研究の最前線
                                                                • デジタル・ヒューマニティーズ(人文情報学)/Digital Humanities (DH)

                                                                  1. 概要 デジタル・ヒューマニティーズとは、人文学的問題を情報学的手法を用いて解くことにより新しい知識や視点を得ることや、人文学的問題を契機として新たな情報学の分野を切りひらくことなどを目指す、情報学と人文学の融合分野である。またデジタル・アーカイブはデジタル・ヒューマニティーズの成果公開の有力な方法の一つである。 主なプロジェクトとして、以下の2つを進めている。 ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター ディジタル・シルクロード 2. 歴史ビッグデータ 歴史ビッグデータとは、人類が生み出した記録に基づき、過去から現在までの環境や社会の状況を、シームレスに分析するプロジェクトである。ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センターの歴史ビッグデータプロジェクトでは、様々な分野における歴史の研究者と協力しながら、歴史データを扱う新たな方法論を研究する。 歴史ビッグデータ 3.

                                                                  • 『欧米圏デジタル・ヒューマニティーズの基礎知識』特設サイト

                                                                    [1] http://www.europeana.eu/portal/, accessed July 19, 2020. [2] http://discovery.dho.ie/, accessed July 19, 2020. [3] http://www.omnia.ie/, accessed July 19, 2020. [4] http://nialloleary.eu/, accessed July 19, 2020. [5] http://www.digitalnz.org/, accessed July 19, 2020. 1-8 [1] 例えば、岡崎敦「西欧中世における「書簡」資料をめぐる諸問題」新井由 紀夫(編)『「中・近世西欧における書簡とコミュニケーション」キックオフ・ シンポジウム報告書』(2018), 5-22 など。 [2] 基本的に本節の内容は、Peter S

                                                                      『欧米圏デジタル・ヒューマニティーズの基礎知識』特設サイト
                                                                    • ニュース | 人文学オープンデータ共同利用センター

                                                                      2024年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 | 2016年 2024年 2024-05-02 edomi ルートにも「れきちず」を導入しました。 2024-05-01 江戸マップ「れきちず」データセットを公開しました。また、edomi マップおよびedomi 災害に「れきちず」を導入し、現代デザインの歴史地図上で、edomiの歴史ビッグデータが閲覧できるようになりました。 2024-04-26 HIMIKOプロジェクトから、HIMIKO Editor for Text(β版)を公開しました。 2024-04-04 HIMIKOプロジェクトから、HIMIKO Editor for Image(β版)を公開しました。 また、Linked Pasts Japanの最初のイベント、Linked Pasts Japan

                                                                        ニュース | 人文学オープンデータ共同利用センター
                                                                      • 教養の導く先に、ダーウィンの番犬はいるのか 戸田山『教養の書』 - オシテオサレテ

                                                                        教養の書 (単行本) 作者:戸田山 和久 発売日: 2020/02/28 メディア: 単行本(ソフトカバー) 戸田山和久『教養の書』筑摩書房、2020年。 教養とはなにかを定義する第1部、そのような教養を身につけることを妨げるイドラにどう対処するかを解説する第2部、最後に教養を身につけるための実践的なアドバイスを提供する第3部からなっている。全体を通じて、多数の小説や映画が引かれ、現代の科学的な知見も随所で参照される。そういう箇所を読んでいると、引かれている小説や映画を見たくなってくる。それにより、教養とはなにかを語りながら、教養の習得へと読者を誘う書にもなっている。 第3部の実践的アドバイスのなかでは、第21章「ライティングの秘訣」が特によいと感じた。仕事のなかでこそ文章を書かなければならないというライティングの必要性、相手と目的を意識して書かなければならないというライティングのデザイン

                                                                          教養の導く先に、ダーウィンの番犬はいるのか 戸田山『教養の書』 - オシテオサレテ
                                                                        • オンライン授業(ブログ講義)事例 - みちくさのみち

                                                                          この記事は、オンライン授業の事例紹介です。 2020年度春学期 城西国際大国際人文学部の「歴史・文化の視点」の授業のうち1回分を、「思想史研究の事例―もの言う読者たち―」と題して行った回の一部改変です。 改変を加えた個所は授業出席のフォーム(Googleformを利用しました)や連絡事項、授業外で使用するのが微妙と思われる図版などですが、内容についてはおおむねこんな感じです。 なお、講義内容は以下の図書掲載の拙稿「読者―「誌友交際」の思想世界」に基づいています。 近代日本の思想をさぐる: 研究のための15の視角 発売日: 2018/11/14 メディア: 単行本 (以下、本文) 今回から、少し歴史研究(思想史研究)の具体例について、お話をしていきたいと思います。『近代日本の思想をさぐる』第14講と併読してもらえれば、理解が深まると思います。 1.読者研究とは なぜ読者か 地方文芸同人誌の世

                                                                            オンライン授業(ブログ講義)事例 - みちくさのみち
                                                                          • 歴史ビッグデータ

                                                                            現代のビッグデータと同様に過去のビッグデータを分析し、過去の環境や社会の状況を復元するには、歴史の「機械可読化」に向けたデータ構造化のための情報基盤を構築する必要がある。そこで文理融合型の共同研究をベースに構造化された歴史情報を分野横断的に蓄積し、人文学・理学・工学をまたいだ歴史の再構築を目指す。 歴史ビッグデータへの期待 歴史を探るための方法として、過去の記録を歴史学者が読み解き、複数の記録を突き合せることで、確からしい解釈を積み上げていく方法がこれまで用いられてきました。この方法が、今後も歴史学の基本的な方法であり続けることは変わりませんが、そこに「機械」を導入することで歴史研究がどのように変わるのか、それを探るのが「歴史ビッグデータ」の目標です。 例えば「ディジタル・シルクロード」プロジェクトでは、「デジタル史料批判(digitally-enabled critique)」という手法

                                                                              歴史ビッグデータ
                                                                            • 「アレクサンドロス伝説」のひろがり|ちくま学芸文庫|澤田 典子|webちくま

                                                                              中世ヨーロッパにおいて「聖書に次いで読まれた」とされるアレクサンドロス・ロマンスの中核となるのが、伝カリステネスによる『アレクサンドロス大王物語』です。アレクサンドロス大王は、その生涯において歴史に巨大な足跡を残しましたが、死後にもそのイメージは大きく広がっていきました。多くの人の想像力を刺激し続けた大王の伝説とは如何なるものだったのでしょうか。古代ギリシア史・マケドニア史の研究者である澤田典子先生(千葉大学教授)に解説いただきました。 わずか一〇年で前人未到の大征服を成し遂げ、三二歳の若さで世を去ったアレクサンド ロス大王は、人々を惹きつけてやまない、魔力のような輝きを放つ世界史上稀有の存在で ある。そんなアレクサンドロスの生涯は、まさに無数の神話や伝説に彩られている。当時の知られうる限りの世界を征服した彼の突然の死は、人々の想像力を限りなく刺激した。 アレクサンドロスの短くも華々しい生

                                                                                「アレクサンドロス伝説」のひろがり|ちくま学芸文庫|澤田 典子|webちくま
                                                                              • モミッリャーノ 歴史学を歴史学する | みすず書房

                                                                                20世紀における古代ギリシャ・ローマ史学の最高峰の一人にして、史学史(歴史学の歴史学)の泰斗。歴史家カルロ・ギンズブルグの師であり、また政治思想史家ジョン・ポーコックをはじめとして後の研究者に決定的影響を与えた。この高名なアルナルド・モミッリャーノの著作は、しかし一見平易に書かれながら、高度に複雑な思考に立ち、背後にある広大な知的世界の理解を要するために、今日までほとんど日本語訳がなかった。 ここにこの上ない訳者を得て、モミッリャーノの精髄を一書に編む。編者=訳者は長年モミッリャーノを深く読み込み自身の学問の基盤としてきた。史学史を主題に、精選9論文。いずれも初訳。随所に周到な訳註を脚註として付す。巻末に解説。 カバー Henricus Stephanus, Apologia pro Herodoto (1584) Jakob Voorbroek Perizonius, Animadver

                                                                                  モミッリャーノ 歴史学を歴史学する | みすず書房
                                                                                • nix in desertis:2021受験世界史悪問・難問・奇問集 その2(共通テスト・国公立大編)

                                                                                  昨日の続き。今年は共通テストと阪大・一橋大の計3問のせいで公開が1週間遅れ,おまけを作る気力が消滅したと言っても過言ではない。何なら一橋大の方はまだ原稿が完成しておらず,後に追記するか別記事を立てる可能性がある。解説が非常に長くなったので,心して読んでほしい。 1.共通テスト第2日程 <種別>分類不能(しいて言えば作図の指示ミス) <問題>1 B オーストリアの貴族クーデンホーフ=カレルギーは,1923年に『パン=ヨーロッパ論』を著し,ヨーロッパ統合運動を展開した。彼は世界が五つのブロックに分かれて統合されていくと考え,ヨーロッパも「パン=ヨーロッパ」として統合されるべきだと主張した。その際,欧米諸国の持つ世界中の植民地も,それぞれのブロックに統合されると考えた。次の図1・図2は,『パン=ヨーロッパ論』所収の地図を加工したものであり,縦線や横線,斜線,点などで地域がブロック別に示されている