一代で巨大医療グループを立ち上げた男の胸中は、いかに-。昨年12月の衆院選をめぐり、公職選挙法違反容疑での捜査が続く医療法人徳洲会グループ。選挙違反を主導したとの見方が強いのが、創設者の徳田虎雄・元衆院議員(75)だ。著書などからは、エネルギッシュな医師・政治家としての一面が浮かぶが、一方で関係者は「暴君」の面も口にする。選挙に「命をかけ続けた」とし、人もカネも投入した虎雄氏。その情熱が招いたのが、自らの王国・徳洲会への捜査だった。「弟の死」で医師を決意、苦学の末開業 《弱きを助け、悪しきをくじく。これが私のすべての行動の判断基準だ》(引用(1)) 虎雄氏は昭和13年に兵庫県高砂市に生まれ、2歳で鹿児島県・徳之島に移住。生活は貧しく、病気の弟が医者に看てもらえず亡くなった経験から医師を志したという。《どんな人でも助けるのが医師の役目だ》(引用(2)) その後、3浪の末に大阪大学医学部に進ん