「学ぶ力」か「学力」か―。滋賀県の三日月大造知事と県議の一部で「ぶ」をめぐり意見のすれ違いが続いている。新年度からの教育政策で三日月知事が「学ぶ力」の重視を打ち出しているのに対し、一部の保守系県議らが学力テストの点数アップに直結する「学力」を前面に打ち出すよう求めているからだ。県は新年度予算案に「学ぶ力」向上に向けた新規事業を盛り込んだが、「『ぶ』は不要」とする県議らの理解を得られるか。県議会では教育観をめぐって議論が白熱しそうだ。 ■学テ下位脱却へ目玉事業 「小中学校生徒の学ぶ力、学ぶ力を向上させる」。2月上旬にあった予算案発表の会見で、三日月知事は2度「学ぶ力」を繰り返した。3人の子どもの父親でもあり、知事就任後、最も議論する時間が長かったと熟慮をにじませ、「テストの正答率で比べることを学力と呼ぶなら、学力を高めるために学ぶ力を高めようと考えた」と持論を述べた。 新年度予算案で知