転職市場でも以前から、「Uターンで地方に帰れば給料は安いのは当たり前」といわれてきた。だが、本当に格差はあるのか。あるとすれば、それはどれぐらいなのか。地域間格差の実態を、ビジネスパーソン1万5000人への給与調査からみてみよう。 日本列島は縦に長い。地方色が豊かな国である。にもかかわらず、この100年来の中央集権的政策、とりわけ高度成長以降の東京一極集中の経済政策のおかげで、首都圏とそのほかの地域の経済格差は生まれ、その差は現代においても縮まっていないとされる。むしろ格差を押し広げようとするこの数年の経済政策のために、その格差は構造的に固定化されているという指摘もある。 地域間での所得格差は、地理的な特性や地域の産業構造などによって所得に格差が生じることをいう。また、景気の動向が地域間で差があることも、格差を生じる要因の一つとされる。例えば、いまや戦後最長になろうとしている景気拡大の傾向