杉山 博昭 1999/07 アファーマティブやまぐち21編集委員会 編『アファーマティブやまぐち21』,pp.3-20 キリスト教と障害者 杉山博昭 アファーマティブやまぐち21編集委員会編 199907 『アファーマティブやまぐち21』 発行:アファーマティブやまぐち21刊行委員会,pp.3-20 一、はじめに 障害者について論じるとき、しばしば「遅れた日本」と「進んだ欧米」を対比させて、「遅れた日本」を非難するという図式で語られる。こうした図式は、無理解な行政への圧力としては有効かもしれないが、いたずらに欧米をユートピア視することで、障害者のあり方について事実をふまえて考えていくことを阻害しかねない。 また、日本を弁護する意図は全くないが、必ずしも欧米が日本より進んでいるとは単純にはいえない。たとえば、ADA(アメリカ人障害者法)や自立生活運動によって、日本の障害者の間でアメリカに注目