(CNN) 人体のあらゆる組織に成長する能力を持つ胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を使って、失明状態と認定された患者2人の治療に成功したとの成果を、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校ジュールズ・スタイン眼研究所の研究者らがこのほど発表した。2人とも視力が劇的に改善したという。 同研究所のスティーブン・シュワーツ博士らが、英医学誌ランセットに報告した。ES細胞を使った治療例が正式に報告されたのは初めてとされる。同博士は「暫定的な結果であり、失明の治療法が見つかったとはいえないが、再生医療における大きな前進だ」と話している。 2例ともそれぞれ、ES細胞を患者の網膜組織に注入した。術後は拒絶反応を抑える薬を短期間投与した。 患者の1人、スー・フリーマンさん(78)は昨年7月に手術を受けた。難病の黄斑変性症で視力が極度に低下し、1人では歩行も買い物、料理も不可能だったが、一方の目を治療した結果、すべ