オーストラリアのANZが英国の銀行であるRBSのアジアリテール網を買収するという報道が出ていた。金融危機後の回復過程としては、一つのマイルストーンだと思う。これまで、米系投資銀行を巡る再編や、ドレスナー−コメルツの様な国内固めをするM&Aから、ついに外に目を向けたストラテジックなM&Aが起きたということである。台湾、インドネシア、シンガポール、香港、フィリピン、ベトナムにまたがる54支店に200万のカスタマーベースというオペレーションに、約7000億円の預金と3000億円のローンがディールの対象で、ANZは一挙に国際オペレーションを拡大することになる。 しかも、報道によれば、どうやら買収価格はプレミアムの様である。US$550mln、つまり約550億円という買収価格は10%プレミアムで、実際のブックバリューは500億内外の様だ。これまで、どのアセットディールも議論はディスカウントからが基本