やっぱり田中角栄を評価したいと思うのは、排他的な通俗道徳ではなく、徹頭徹尾、利害関係で有権者を動員しようとしたことだ。だから田中派には文人の息子、戦争中の親米リベラリスト、社会党議員の二世など、在郷保守にはなかなか認めてもらいにくい人材が多かった。 最近の政権与党、とりわけ自民党は、有権者の道徳観や価値観、ライフスタイルをあれこれ規定し、この財政難のもと、何に使われるかはっきりしない奨励金をばら撒くような政策ばっかり打つのが鬱陶しい。 昨日は、ニートひきこもり矯正のNPOへの補助を批判したが、今日、共同通信が報じたのは、自民党が三世代同居の奨励金を創設すると。自民党に「家族・地域の絆(きずな)再生プロジェクト」という家父長制(DV家庭)復活をもくろむプロジェクトがあるらしい。そこが深刻な少子化の原因として「過度に経済的な豊かさを求め、個人を優先する風潮がある」と指摘しているということで提言