今年に入り、大手日本企業の経営トップに外資系企業で実績を残してきた経営者が就任するケースが目立ってきています。記憶に新しいのが、元アップルコンピュータ(現アップルジャパン)社長や日本マクドナルドホールディングス(HD)会長(現職)を歴任し、6月にベネッセホールディングス会長兼社長へ就任した原田泳幸氏の例です。 原田氏はベネッセに着任した直後の7月、会員の個人情報大量流出事件発覚という経営危機に直面。若手経営者なら買ってでもするべき「修羅場くぐり」が原田氏に襲いかかりました。 しかし筆者は、この事件をきっかけとして原田氏はベネッセで強固なリーダーシップを確立すると見ています。転任経営者としてはむしろ「災い転じて好機と成す」を果たすのではないでしょうか。 ●原田社長の下で強まる結束 そう考えられる理由としては、まずベネッセにとって未曾有の大危機が到来したわけですから、新社長の下での結束へのベク