ヤフーのビッグデータ戦略を担当する安宅和人チーフストラテジーオフィサーは20年以上分析に関わってきた。ほとんどの分析が同じような理由のために失敗を繰り返しているという。 私はこれまで20年以上にわたり、様々な分析とともに生きてきた。その経験の中から言えることが1つある。それは、この世の中で日々生み出されている分析の大部分が、意味のある意思決定や変化を何も生み出さないということだ。世の中で生み出される分析のほとんどが、結果の視点から見るとダメ分析なのだ。 私自身が仕事を始めたころに行った分析も今振り返ればそうだったし、これまで接してきた事業分析やビッグデータ分析の多くもそうだった。 そこに費やされている労力、才能、コストを考えれば、あまりにも残念なことだ。この連載は失敗の原因を見つめることから始めたい。 では、ほとんどの分析はなぜダメ分析なのか? 原因は大きく5つある。 (原因1)「何のため
連載バックナンバー はじめに 今回は時系列分析について紹介します。ビジネスで生成されるデータの多くが“時間“の項目を含む時系列データで、1週間の傾向や季節変動などを分析する際など、さまざまな場面で時系列の分析が必要となります。 時系列分析(Time Series Analysis)とは? 時系列分析(Time Series Analysis)は、株価や為替レートなど金融関連の時間とともに変化するデータを分析し予測するために発達してきました。「時系列計量経済学(Time Series Econometrics)」などの学問の中で論じられているデータ分析の中では、比較的歴史のあるテーマです。それだけに、定式化するためのさまざまなモデルが提案されていて、1つの変量を分析するためのモデルだけでも、表1のように多くのモデルがあります。 略称 説明 AR
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