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ブックマーク / www.rieti.go.jp (18)

  • RIETI - 新型コロナウイルスと日本経済

    このノンテクニカルサマリーは、分析結果を踏まえつつ、政策的含意を中心に大胆に記述したもので、DP・PDPの一部分ではありません。分析内容の詳細はDP・PDP文をお読みください。また、ここに述べられている見解は執筆者個人の責任で発表するものであり、所属する組織および(独)経済産業研究所としての見解を示すものではありません。 その他特別な研究成果(所属プロジェクトなし) 昨年から感染拡大が続いている新型コロナウイルスは未だ収束の気配を見せておらず、稿執筆時点(2021年1月21日)で東京を含む11都道府県に緊急事態宣言が発令されている。感染防止策が強化される中で、飲業や観光業をはじめとするさまざまな産業で経済的打撃が大きくなっており、とりわけ女性や非正規雇用の労働者を直撃しているという報告もなされている。感染抑制と経済活動の両立という議論がなされる中、日における新型コロナとマクロ経済の

  • 新型コロナウイルスとEBPM(証拠に基づく政策作り)

    筆者はここ数年RIETIやシカゴ大学を根拠地にして、多くの日の行政官たちとEBPM(証拠に基づく政策)の重要性について語ってきた。だが仮に有効性のエビデンスが全くない政策、何のポジティブな効果も期待できず、かえって国民の生活に悪影響を与えることが自明と考えられる政策が場当たり的に押し進められようとする時、それに抗する行政官がいないのであれば、EBPMは単なる飾りものとなる。EBPMは政策判断に合理性を導入することに意図があるからだ。いつからか日の行政組織が、命令系統の秩序を保つことを国民の安全や利益を守ることに優先させる組織に変質してしまったかのように見える昨今、国家公務員の矜持は国民の利益を第一に考えることではなかったのか、と改めて問いたい。 読者の中には、筆者がコロナウイルス問題について何が科学的で合理的であるかの議論をする資格を問うものがいるかもしれない。筆者はかつてコロンビア大

    新型コロナウイルスとEBPM(証拠に基づく政策作り)
  • コラム・寄稿「学業や達成の評価と女性差別―聖マリアンナ医科大学の受験差別から考えたこと」

    聖マリアンナ医科大学は、第三者委員会によるこうした報告があるにもかかわらず、大部分の受験生に対し実際の試験成績に関係なく差別的に点数を決めていたという事実を認めず、意図的な差別はなかったと主張しているが、このような結果が偶然起こる確率はそれこそ天文学的に希少で、聖マリアンナ医科大学の態度は不誠実極まりない。1人の受験生の得点が性別と「現浪区分」で決まる特定の点数と偶然一致する確率は、受験生の受験結果を性別・「現浪区分」を識別せずに採点し直して、実際になされた結果と完全に一致する確率と同じであるが、180点満点の試験では、かなり多めに見積もっても1/10よりかなり小さいと考えられる。従って結果が、300人の受験生について性別と「現浪区分」で決まる得点にすべて偶然に一致する確率は、1/10の300乗の値未満、すなわち分子が1で分母が1の後に0が300個付く分数の値より小さい。1兆分の1という極

    コラム・寄稿「学業や達成の評価と女性差別―聖マリアンナ医科大学の受験差別から考えたこと」
    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2020/02/04
    “このような結果が偶然起こる確率はそれこそ天文学的に希少で、聖マリアンナ医科大学の態度は不誠実極まりない。”
  • コラム「データという第二の遺伝子の編集」

    動画はその名も「利己的な台帳(The Selfish Ledger)」。近寄りがたいこの題名にある「台帳」は、私たちの生活が産み落とす情報が記録されたデータ台帳を意味する。データ台帳は、私たちがどこに住み何をべ何を語っているかを記録し、つまるところ私たちは何物なのかを暗示する。いわば第二の遺伝子だ。 実際、動画冒頭では一見なんの関係もない進化論の唐突な解説が何分にもわたって延々と語られる。たとえば、史上初の進化論の提唱者と言われるジャン=バティスト・ラマルク。ラマルクは、個体が生きるとともに遺伝子のような何かが変化し、変化した遺伝子のような何かが次の世代に引き継がれるという獲得形質遺伝仮説を説いた(が、のちに実証的に反証されたと考えられる)。 そしてウィリアム・ハミルトンからリチャード・ドーキンスにいたる「利己的な遺伝子」論。遺伝子を個体の部品と見なす常識を超え、死にゆく個体を遺伝子とい

    コラム「データという第二の遺伝子の編集」
  • 東京医科入試における女性差別と関連事実 ― 今政府は何をすべきか

    女性割合の調整は憲法違反・教育法違反で募集要項に記して許される問題ではない 東京医科大学が女性合格者を3割以下に抑えるために、入試における得点を女性にのみ一律に減点して員数調整していたというニュースが8月2日に流れ、当然のことながら多くの批判的論考がメディアに出た。このことについて筆者も考えを述べたい。 まず、この種の女性差別が決してあってはならないことで、憲法14条第1項で すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により政治的、経済的又は社会的関係において差別されない。 とし、またそれを受ける形で教育法4条において (教育の機会均等) すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。 と記されていることに明確に違反する。 しかし、今回の東

    東京医科入試における女性差別と関連事実 ― 今政府は何をすべきか
  • コラム・寄稿「学際化する経済学:他分野での引用文献で評価する経済学」

    経済学経済学者は、閉鎖的で傲慢であり、他分野との交流をあまり行わないと批判されることが多い。稿では、他の学問分野による経済学の引用と、経済学論文における他分野への引用に関する最近の分析を用いることにより、こうした批判はもはやあてはまらないということを示す。経済学以外の研究を引用する例が増加する一方、他の学問分野に経済学の研究が引用される例も増えている。経済学の実証研究の量と質の向上が、経済学以外の研究者にとって経済学の重要性を高めていることをデータは示唆している。 2017年にシカゴ大学のリチャード・セイラー教授がノーベル経済学賞を受賞し、ようやく行動経済学に相応の注目が集まるようになった。セイラー教授らは、経済学の標準的モデルである合理的意思決定と、心理学が研究対象としている一見不合理な意思決定との違いに、強い関心を寄せている。行動経済学者は、この2つの社会科学分野の間の領域で研究を

    コラム・寄稿「学際化する経済学:他分野での引用文献で評価する経済学」
  • 政策評価で「科学風のウソをつく」方法 - 独立行政法人経済産業研究所

    政策評価と「科学風のウソ」 筆者は経済産業研究所に在籍して15年になるが、立場上からさまざまなシンクタンク・コンサルティング会社などの研究組織や大学で行われた「政策評価」を第三者評価・鑑定して欲しいと関係行政庁の担当から依頼されることがある。 個人的実感として、近年の定量的政策評価への意識の高まりとは裏腹に、依然として(悪意の有無は別として)科学的な証左を用いながら誠に不適切な「政策評価」の類が横行している状況にあると言わざるを得ず、この類の文献や報告書の中には刮目して読まなければならないものが多いことを日々大変残念に思っているところである。 当該問題は日に限った問題ではなく、Manski(2011)*により類似の問題が米国でも深刻である旨が実名入りの事例を挙げて報告されている。具体的な報告は承知しないが欧州諸国や移行経済国、中国・インドなどの途上国でも推して知るべきであろう。 稿では

    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2018/01/20
    “典型的な構造的背景は、委託を行う行政庁側での「勇気ある撤退」を全く評価しない組織風土と分析・評価側の各種利害相反の組合わせ”
  • RIETI - 大都市で働くことによる動学的便益: 日本における労働者・企業マッチデータからの証拠

    このノンテクニカルサマリーは、分析結果を踏まえつつ、政策的含意を中心に大胆に記述したもので、DP・PDPの一部分ではありません。分析内容の詳細はDP・PDP文をお読みください。また、ここに述べられている見解は執筆者個人の責任で発表するものであり、所属する組織および(独)経済産業研究所としての見解を示すものではありません。 その他特別な研究成果(所属プロジェクトなし) 労働者にとって大都市で働くことは非常に魅力的に感じられる。たとえば、大都市では、中小都市と比較してより高い賃金を得られることが理由としてよく挙げられる。都市経済学の分野において、このような大都市がもたらす賃金上昇のことを都市賃金プレミアムと呼んでおり、集積の経済による便益として知られている。近年の学術研究では、どのような要因が都市賃金プレミアムをもたらすのかという点を解明するために実証研究が進められている (Combes a

  • 特別コラム「「伝統的拡大家族」の復活は少子化対策として望ましいのか?」

    先日内容がウェブ公表された政府の「一億総活躍社会に関する意見交換会(2015年11月18日)」において家族人口学者の加藤彰彦氏が行った「『希望出生率1.8』をいかにして実現するか」の報告内容には大きな違和感を覚えるので、それについて議論したい。加藤氏は少子化対策で今まで見落とされていた重要な論点の1つは「少子化が進む中で出生率を下支えしてきたのは伝統的家族である」と主張し、結論でも伝統的拡大家族(夫の親との三世代同居)と伝統的家族観の保持が希望出生率1.8の実現の「レバレッジ・ポイント」の最重要項目としている。加藤氏の論拠は彼が「少子化・人口減少の意味」と題して『比較家族研究』で発表した論文で、全国調査のデータを用い出生ハザード率(出生率を個人レベルで想定したもの)に対し、他の決定要因を制御して、親との「遠居」に比べ、「夫の親との同居」が有意に高い出生率を持ち、その傾向は第1子目、2子目、

    特別コラム「「伝統的拡大家族」の復活は少子化対策として望ましいのか?」
  • RIETI - 独の労働市場改革に学べ

    欧州では債務危機後、ドイツ経済の底堅さが際立っている。世界金融危機後の2008年第1四半期の落ち込みは欧州で最も大きい部類だったが、その後はおおむね高い成長率を維持し、欧州経済のけん引役を務めてきた。失業率も上昇傾向に歯止めがかからない国が多い中、ドイツだけは05年にピークを示して以降、08~09年にやや上昇したものの、5%台半ばに低下した。見事な強じん性を発揮したドイツ経済とその労働市場に注目が集まっている。 ◆◆◆ 時計の針を10年ほど前に戻してみよう。当時ドイツは失業率が他の欧州主要国を上回るなど経済が停滞し、「欧州の病人」と呼ばれていた。シュレーダー首相(当時)は労働市場を抜的に改革するため、02年にフォルクスワーゲンの労務担当役員だったペーター・ハルツ氏に依頼し、「ハルツ委員会」を立ち上げた。03年3月に、改革の方向性を示した「アジェンダ2010」を発表。03~06年に「ハルツ

  • コラム・寄稿「所得格差の「怪物」を放ったのは誰か? その原因を探る」

    過去20年間にわたり、多くの国で所得格差が拡大し、今や歴史的にも高い水準となっている。稿では、格差拡大の一般的な説明に加え、新たに2つの要因を紹介したい。まず、近年の財政危機後に行われた財政再建は失業を長期化させ、格差拡大につながった可能性がある。持続的な格差拡大を招く2つ目の要因は、資勘定の自由化である。政策の策定にあたっては、この2つが格差に与える影響を考慮するべきである。 先月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)は、富裕層が所得格差について認識することになった会議として人々の記憶に残るだろう。以前から所得格差の事実についてうっすら気づいていたとしても、格差の度合いには愕然としたようである。 所得格差は史上最高の水準に達している。2012年には、米国の上位10%の富裕層が富の半分を手にしているが、1920年代以降、冨の集中がこれ程の水準に達したことはない。OECD諸国において

  • コラム「消費者物価をいかに測るか」

    デフレ脱却は安倍政権の最優先の政策課題の1つである。消費者物価の上昇率は現在ほぼゼロだが、これを2年以内に2%まで引き上げるべく、政府と日銀による壮大な実験が繰り広げられている。 デフレ脱却の第一歩は物価の現状を正確に知ることである。我が国の物価は総務省統計局によって計測されており、そこで作成される消費者物価指数は、日銀が最も注目する指標である。また、消費者物価指数は、年金支給額の物価スライド幅を決める際に重要な役割を果たすなど、人々の生活にも直結している。 しかし物価の計測は決して容易な作業ではない。仮に全ての商品の価格が2%上がっていれば2%の物価上昇である。だが実際にはそれほど単純ではない。ある商品は上昇する一方で別な商品は下落しているというのが通常の姿だ。そのときに「全体として」価格が2%上がるというのはどういうことなのか。誰にも合点の行く計算手順を決めるのは非常に難しい。消費者物

    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2013/05/23
    ちゅうもく
  • RIETI - 「開国」は国益につながるか

    安倍晋三首相が3月半ばに環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加を決断し、状況が急展開している。TPPは地域貿易協定(RTA=キーワード参照)の一種だが、自由貿易協定(FTA)のようなモノやサービスの貿易自由化にとどまらず、知的財産保護などの共通ルールを求める「高度」な協定で、経済連携協定(EPA)とも呼ばれる。TPPをはじめ、RTAが世界で急増しているのはなぜだろう。そして日の国益や世界全体の利益になるのだろうか。近年の経済学研究を手掛かりに考えてみたい。 ◆◆◆ TPPと並行し、先月末には日中韓FTAの第1回交渉が行われ、今月末には日豪のEPA交渉が最終合意・妥結する見通しだ。日中韓印豪ニュージーランドの6力国が東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国とともに5つのFTAを束ねる東アジア地域包括的経済連携の交渉も立ち上がった。こうした動きは世界規模で進展している(図)。 他方、世界貿易

  • コラム「デフレ経済と労働市場の関係を考える」

    今回の衆院選は極めて異例づくしであった。小選挙区制の下で12の政党が争ったことは言うまでもなく、いくつかの政党で金融政策の手法(物価目標の設定、外債の購入など)や日銀のあり方(日銀法改正、政府とのアコード締結)が政権公約に盛り込まれた。経済の専門家による議論ならともかく一般市民が次の政権を託す政党を選ぶ際の争点になること自体、過去に例がなかったのではないか。長らくデフレ、円高が継続し、一向に変わらない状況に対して広い層で焦燥感が相当募っている表れとみることもできよう。 しかし、金融政策・日銀のあり方がイシューになればなるほど、金融政策がまるで「魔法の杖」の如くに日経済を自在に操れるような印象を国民に与えてはいないだろうか。大胆な金融政策はつきつめていけば日銀によるリスクの高い資産の購入となる。しかし、そのリスクが損失という形で表面化すればそれは政府が補てんせざるを得ない。財政法で原則禁止

    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2012/12/18
    ミクロ的主体としての企業の雇用システムにマクロ的期待形成機能を期待するのは無理筋。そこはマクロ的主体としての経済団体と労働団体の出番のはず。なのに……。
  • RIETI - 第7回「真の教育、研究水準の向上につながる大学改革とは」

    RIETI政策対談では、政策担当者とRIETIフェローが、日が取り組むべき重要政策についての現状の検証や今後の課題に対し、深く掘り下げた議論を展開していきます。 国立大学が法人化されてから4年が経過し、日の大学改革議論が盛んに行われている。RIETIでも政策シンポジウム「経済社会の将来展望を踏まえた大学のあり方」を2008年5月30日に開催し、国立大学のガバナンスの問題点や予算配分の考え方、また、国際競争時代に求められる今後の大学像について、さまざまな議論が行われた。第7回政策対談では、シンポジウムにも参加していただいた、藤城 眞 (財務省 主税局 税制第三課長/前財務省主計局主計官 (文部科学担当))と玉井克哉 (ファカルティフェロー/東京大学先端科学技術研究センター教授)の両氏に、シンポジウムでの議論を踏まえ、どういった大学改革が我が国の高等教育および研究水準の向上につながるのかに

  • 復興を越えて -日本は再び奇跡の成長を成し遂げられるか?-

    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2011/04/24
    うーん
  • RIETI - 最低賃金は日本において有効な貧困対策か?

    最低賃金の引き上げは貧困問題への対応策としてどの程度有効なのか?この喫緊の問いに対して、川口FFと森氏は就業構造基調査の個別データを基に分析、検証を行った。結果は、最低賃金で働いていると考えられる労働者の約半数は、年収が500万円以上の中所得世帯の世帯員、つまりパートタイムで働く主婦やアルバイトをしている子供であることから、貧困世帯の世帯主に対する経済的な支援という来の目的への効果は期待通りとはいい難い。さらに、最低賃金の引き上げによって、10代の男性や既婚中年女性の雇用が失われる可能性が高いことも明らかになった。低賃金労働者への対応策としては、最低賃金の引き上げだけに頼るのではなく、勤労所得税額控除など他の選択肢の導入についても幅広く検討する必要があると両氏は指摘する。 ――どのような問題意識から、この論文を執筆されたのでしょうか。 川口:貧困問題への関心が高まる中、貧困解消の有力な

  • RIETI - 第10回「技術変化によって格差問題は解決するか?」

    小林フェロー:日で格差問題が大きな話題になってきたのは、ここ2、3年のことですが、米国では80年代(あるいは70年代半ば)以降に賃金格差が広がり始め、現在まで格差拡大が続いています。賃金格差拡大のトレンドは、経済学者の間では、最近数十年の技術変化が、Skill-biasを持っているからだと理解されています。コンピュータの普及など高いSkill(たとえば大卒など高等教育の素養を持っていること)を労働の前提条件とするような技術体系が普及し、そのために、高いSkillを持った人々は、能力を活かして収入を増やすチャンスが増えました。一方、低いSkillの人々は、コンピュータによる代替などのために、逆に仕事を失いました。 格差問題が今後どうなっていくのかを考える上で、Skill-biasのある技術変化がどうして起きてきたのか、そして、Skill-biasのある技術変化はこれからも続くのか、という問

    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2009/02/18
    Acemoglu "Directed technical change"
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