オープン・パブリッシングは、サービス指向ITを「出版」のバリューチェーンに効果的に組み込むことでその可能性を最大化させるコンセプトだ。それは出版の社会的機能を、デジタル革命という歴史的転換に対応するように再構築する試みでもある。多様なコンテンツとサービスの協調環境のためのマッピングを行うが、それを機能させるのは人間だ。21世紀のプロのための編集出版技術を再定義し、スキル/メチエを拡げ、高め、評価を得るための仕組みが必要になる。ITに置き換えられない、「人間のコアコンピタンス」を明確にできなければ、出版は仕事にはならないからだ。 コンテンツとテクノロジー/サービスのマッピング 1940年代に遡るデジタル革命は、情報処理のデジタル化と情報そのもののデジタル化という2つの経路で進行してきた。出版に関して言えば、前者は主として販売管理、後者は組版処理としてスタートし、それぞれ半世紀もの歴史がある。