『パティスリーMON』1巻/集英社 ――幼いころに夢中になって読んでいた少女まんが。一時期離れてしまったがゆえに、今さら読むべき作品すら分からないまんが難民たちに、女子まんが研究家・小田真琴が”正しき女子まんが道”を指南します! <今回紹介する女子まんが> きら『パティスリーMON』全10巻 集英社/各420~440円 まんがで食べ物を描くときの困難は、まず何よりも「色」にあります。たとえば料理書の大半はオールカラーの写真が添えられていますが、一方、まんがはその多くが1色印刷。その中でいかに食べ物のおいしさを伝えるのかが、作家の腕の見せ所でもあるのです。 昨今は「お菓子まんが」が大流行しております。そんな中でも私の一押しは、昨年1月に完結した、きら先生の『パティスリーMON』(集英社)。かつてよしながふみ先生は名作『西洋骨董洋菓子店』(新書館)において、オーナー兼販売員の橘が駆使する鮮やか