20歳を迎えたその日、姉が雰囲気の良いショットバーに連れて行ってくれた。 初めてのバーに圧倒されている俺を見て、姉は「緊張してんの?なんか子供の頃のアンタみたい」とニヤけた顔をしながら大好きなコロナビールをあおっていた。 俺と姉は結構仲が良く、ファッションや音楽も大体同じ感覚で、たまに姉と買い物に出掛けたが途中で飽きる事が無かった。 友人たちから、お前らマジで姉弟関係なのかと問われる事があるくらい仲が良かったんだなって思う。 俺も姉もいいカンジに酔ってきた時、いつもの顔ではない姉がそこにいた。 「本当、アンタとこんな風に飲めるなんて思わなかったわよ。あの時、アンタが死んでたらアタシも死んでたかも…。何時だってアンタは…アンタはアタシの弟なんだよ…。アタシ、アンタの姉で良かったよ」そう言って姉はポロポロと涙を溢した。 俺は小学校の時に、交通事故に遭って生死をさ迷った。姉と二人で登