乱視という言葉は、非常になじみのある言葉で、視力に関係するものということは皆さんご存じのようです。 患者さんに『乱視がありますね』とお話しすると、『えっ!本当ですか?』と、とても驚かれる方も居られるし、『そうなんです』と、得々と自分の視力の悪さを説明される方も居られます。でも乱視は、視力を測定すれば大抵皆持っているもので、本当は乱視のない人の方が珍しいくらいなのです。 要は、その乱視が視力に影響する程の乱視かどうかということなのです。さて、このなじみのある『乱視』について、皆さんはどこまでご存じですか? 目に入ってきた光は、フィルムに当たる網膜に到達するまでに、角膜と水晶体を通り抜けますが、この時に網膜で焦点が合うように屈折されます。この角膜と水晶体の球面形に、ほんのわずかな歪みがあると光の屈折が微妙にずれるためにピントの合い方が悪くなります。この角膜と水晶体の歪みのことを「乱視」と呼びま