『ホモ・フロレシエンシス(上) 1万2000年前に消えた人類』 著者:マイク・モーウッド,ペニー・ヴァン・オオステルチィ 訳者:馬場悠男,仲村明子 版元:日本放送出版協会 発行:2008年5月 価格:1019円(税込) ISBN:978-4140911129 本連載の第45回では,「亜人種(デミヒューマン)は決して,ファンタジー小説の中だけの存在ではない」という切り口に基づいて,現生人類のアフリカ単一起源説と,それがもたらす結論,つまり我々の直接の祖先以外にも,文化を持つ「ヒト」が多数いたことになるという話(実際,ネアンデルタール人がそうだ)に言及した。 その最たる例が,東南アジアに1万2000年前くらいまで存在したという「ホモ・フロレシエンシス」になるのだが,その発見を扱った詳しい本が出たので,あらためて紹介したい。『ホモ・フロレシエンシス 1万2000年前に消えた人類』の上下巻である。