俺も、基本的にはイケテる連中に対するルサンチマンで生きてきたといっていい。そして本田君同様、それは文筆のモチベーションを駆り立てる原点でもあった。たとえば95年に書いた『私とハルマゲドン』などは、その基本的な問題意識において、本田君の『電波男』と重なる点が多い。本田君ほど徹底できなかったが……。 しかるに、私が心配するのは、これだけの熱い傑作をものしてしまった本田君の、これからである。大きなお世話かもしれないが、老婆心ながら忠告させてください。 本田君の萌えたぎるオタクマグマは本物である。それは「愛」への渇望が満たされないことの代償行為といってしまうと身も蓋もないが、しかし少なくとも、それが「萌え~とかキモイ事を言わずに心を入れ替えればモテルわよ」というほど簡単なものではないことは、本田君が数百ページをかけて論じた通りであろう。 「愛」を簡単に得られると錯覚している恋愛資本主義者(イケメン