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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/zoot32 (46)

  • 『アベンジャーズ』を見たゼ! - 空中キャンプ

    歌舞伎町にて。マーベルヒーローが大集合するお祭り映画として、ちょっと考えられないほどのクオリティに達したゴージャスな一でした。たのしかった! 各キャラクター作品のエンドクレジット後、ニック・フューリーがスカウトしにくるおなじみのくだりを何年もかけて見せていくことで、観客は「どんな映画になるだろう」と期待がどんどんふくらんでいったわけですが、その過大な期待へパーフェクトに応えた点が感動的です。むろん作りは緻密ですが、エンターテインメント作品のため、あまり分析的になってもしかたがないので、個人的に感じたことをいくつか書きます。 何より、画面全体を覆いつくす想像力の跋扈に圧倒される。カッコよくて、怖くて、近寄りがたく、奇妙なフォルムをした、わけのわからない異形の者たち(実際に劇中、彼らは “freaks” <奇形>と呼ばれもする)。彼らスーパーヒーローが画面をかけまわるたびに、観客は「いま、と

    『アベンジャーズ』を見たゼ! - 空中キャンプ
  • 『ダークナイト ライジング』を見たゼ! - 空中キャンプ

    渋谷にて。クリストファー・ノーラン新作。わたしとバットマンの関係でいうと、ノーランのバットマン三部作はすべて見ていますし、他のバットマン映画も好きですが、コミック等はまだ読んだことがない、という中ぐらいのファンです。深く分析できるほどのバットマン知識があるわけではないのですが、個人的に感じたことをいくつか。デントが死んでから八年、彼の死の責任を背負ってゴッサムから姿を消したバットマンと、まるで老人のように隠居していたブルース・ウェイン、という設定から始まる、トリロジーの完結編。 今回の悪役、ベインがきわめてたくましく強い肉体を誇示していることが、むしろ映画への没入を妨げてしまうのである。『ダークナイト』(’08)を通過した後で、悪役の屈強な肉体を見せられても、どうにも物語に熱狂しがたい。もちろん、ごく一般的な映画の悪役として考えればベインは魅力的であるし(わけても、その声は音響効果含めすば

  • 『桐島、部活やめるってよ』を見たゼ! - 空中キャンプ

    渋谷にて。初日。すばらしい! 原作は未読なので、映画単体での評価になりますが、きわめてクオリティの高い作品だと感じました。ストーリー全体の構成や編集もたしかであり、抑えた演出によって各登場人物のグラデーションが浮き上がる点もみごと。思春期の残酷さや刹那、純粋性や未熟さといったモチーフが、せりふではなく映像や演技によって伝えられる手法にも好感を持ちました。ラストシーンでは完全に心を持っていかれ、傑作を確信しました。バレー部のエース、桐島が退部したといううわさが学内に流れ、生徒たちの関係性が少しずつ変化していく、というあらすじ。 ──以下、ストーリーにあるていど言及していくため、情報を遮断した状態で見たい方は注意してください── 冒頭、学校内を歩く生徒の背中を追うカメラの動きが、ガス・ヴァン・サントの『エレファント』(’03)を連想させる。こうした撮影の手法にとどまらず、高校を舞台にし、複数の

    『桐島、部活やめるってよ』を見たゼ! - 空中キャンプ
  • 『母は娘の人生を支配する』/斎藤環 - 空中キャンプ

    精神科医である斎藤環が、今年の五月に出した新刊(NHKブックス)。斎藤は、ひきこもりの治療や、精神科医の仕事についてのをいくつか著しているのだが、その中で「母親と娘が密着しているパターンがいちばんむずかしい。これだけはなかなか治療が進まない」ということを何度か書いていた。母親と娘の関係性、女性特有の身体感覚や、母性の強迫といった問題は、男であるわたしには理解することが困難だが、このを読んであるていどのイメージをつかむことができた。それだけでも、とてもよかったとおもう。 母親と娘が、どこまでも果てしなく一体化していく、おたがいの精神や肉体をほとんど共有してしまうくらいにつながっていくということが起こる。そこで発生した、きわめて複雑にからみあった依存の関係が、おたがいを閉じ込め、愛憎の激しさゆえに双方を苦しめるのだが、どうしてもそこから逃げだすことができないという循環。斎藤は、こうした状態

  • [映画]『ツリー・オブ・ライフ』を見たゼ! - 空中キャンプ

  • [映画]『コクリコ坂から』を見たゼ! - 空中キャンプ

  • 『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』を見たゼ! - 2011-06-23 - 空中キャンプ

  • http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20110615

  • 『ブラック・スワン』を見たゼ! - 空中キャンプ

    新宿にて。ダーレン・アロノフスキー新作。前作『レスラー』(’08)と対になる作品性を持っており、非常に切実さを感じさせるストーリーであると同時に、とてもよく練られた映画でした。女性にとっての成長や思春期とはこのようなものなのだろうか、と想像しながら見ました。ややホラー的な展開もあるのですが、男性であるわたしにとっても思春期は恐怖の連続であったし、いかに別の人間へと metamorphose(変身・変態)していくかというのは思春期における大きな仕事であったようにおもいます。さまざまなメタファーがよく効いている物語だと感じました。内容に触れてしまうといけないので、結末等の記述はしませんが、あるていどストーリーに踏み込む必要があるので、未見の方は注意して下さい。 以下、大まかなストーリー記述やディテールを含む感想です。 基的なあらすじは、母親と同居するまじめなバレリーナがついに念願の主役を指名

  • 『ノルウェイの森』を見たゼ! - 空中キャンプ

    村上春樹原作の小説を、ベトナム系フランス人のトラン・アン・ユン監督が映画化。村上春樹の長編小説は、おそらく映画化がもっともむずかしい部類の原作ですが、そのことにはいくつかの理由があるとおもわれます。そしていまから、なぜ村上春樹の小説映画化がむずかしいかについて考えてみようとおもいます。原作を繰りかえし読んでしまっていて、どうしても原作との比較になってしまい、映画を見るために必要な「原作から切り離した個別の作品としてとらえる作業」がうまくできなかったため、映画そのものの感想につなげられないかもしれません。また長編小説を133分におさめることの困難もあるとおもわれ、重要とおもわれる3つのポイントについても自分なりに推測してみました。 1、声にするとリアリティがなくなる 今作でもっとも印象的なのは、登場人物たちの会話です。映画は、原作のせりふをほとんど変えずに使用する手法で撮られており、このこ

  • 空中キャンプ - 2006年の映画をふりかえる/結果発表

    親愛なるみなさんへ こんにちは。「空中キャンプ」を書いている者です。もうすぐ、2006年も終わりですね。この時期、ハンズとか、ロフトなんかにいくと、来年の手帳がたくさん売っていて、「お、手帳か」なんて、つい手にとって眺めたりするものです。そして、ふだん手帳なんかまったくつけない人でも、「来年からは手帳をつけてみようかしら」などと、柄にもないことをかんがえてしまう時期です。よせばいいのにね。さてここで、今年いちばんおもしろかった映画はなんだったのか、びしっと決める。決めます。そしてみなさんに発表したいです。そのために、以下の設問でもってあらかじめ集計をしました。 名前(id、もしくはテキトーな名前)/性別 2006年に劇場公開された映画でよかったものを3つ教えてください 2で選んだ映画の中で、印象に残っている場面をひとつ教えてください 今年いちばんよかったなと思う役者さんは誰ですか ひとこと

  • 2007-12-23 - 空中キャンプ

    みなさんお元気ですか、空中キャンプを書いている者です。 さて、みなさんの2007年はいかがだったでしょうか。わたしはさほど変化のない、いささか地味な一年でしたが、それはいいことなのかも知れません。よくもなし、わるくもなし。その、プラマイゼロ感が。もちろん、07年が節目になった方もいらっしゃるでしょうから、そうした方はさらに上昇していっていただきたいです。わたしも、来年はちょっとだけしあわせをつかみたい。しあわせは、なにげに手にいれたいね。 さて先日、07年の映画についてのアンケートをおねがいしました。それらをもとに、今年の映画でいちばんおもしろいのはなんだったのか、ふりかえってみたいとおもいます。あらかじめ、みなさんにおねがいしたアンケートは、このようなフォーマットでした。 名前(id、もしくはテキトーな名前)/性別 2007年に劇場公開された映画でよかったものを3つ教えてください 2で選

    2007-12-23 - 空中キャンプ
  • 2008年の映画をふりかえる/結果発表 - 空中キャンプ

    みなさんこんにちは。空中キャンプを書いている者です。今年いちばんおもしろかった映画を、みなさんの投票により、ちょう民主主義的に決定する「2008年の映画をふりかえる」の結果がでました。さっそく、順を追って発表していきたいとおもいます。みなさんからは、あらかじめ以下のフォーマットにてアンケートを集めました。 名前(id、もしくはテキトーな名前)/性別 2008年に劇場公開された映画でよかったものを3つ教えてください 2で選んだ映画の中で、印象に残っている場面をひとつ教えてください 今年いちばんよかったなと思う役者さんは誰ですか ひとことコメント 参加していただいた方々の人数と男女比は以下です。 まずは、参加していただいた方々にお礼を述べたいとおもいます。ありがとうございます! 今まででいちばんの人数、ついに大台の3ケタに到達しまして、よりたくさんの方の意見が含まれた貴重な調査結果になったので

    2008年の映画をふりかえる/結果発表 - 空中キャンプ
  • [旧作]『スーパーマン』/リチャード・ドナー('78) ー 2010-12-07 - 空中キャンプ

    sizukanayoru
    sizukanayoru 2010/12/07
    "ひとたびスーパーヒーローになれば女性を魅了できるというモチーフは、若い男性にとっての「自分はまだ何者でもないし、なにも達成していない」という不安を埋め合わせてくれる物語であるように感じました。"
  • http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20101130

  • 2010-06-13 - 空中キャンプ

    新宿にて。とてもたのしみにしていたパート2、カッコよさとコント風味が絶妙にミックスされた、高品質のエンターテインメント作品に仕上がっていたとおもいます。むろん、ロバート・ダウニー・Jrとミッキー・ロークの共演というだけで気持ちは高まるのですが、笑いを忘れずつねに観客をもり上げる姿勢に共感しました。前作から連続したシーンがいくつかあるため、未見の方はまず『1』を見るとさらにたのしめるのではないかとおもいます。 『アイアンマン』シリーズにおいて重要なのは、主人公トニー・スタークの目にあまる幼児性である。彼の身勝手でナルシスティックな言動は作品のキーとなる要素だ。そのふるまいは子どもとなんら変わらないが、この幼児性こそがまさに「アイアンマン」というモチーフのもうひとつの面ではないかという気がする。無敵の強さを誇るマシン、どんな敵をも粉砕する圧倒的なパワーを持つロボット。そんなものをせっせと作って

  • 考えてはいけないこと - 2010-04-05 - 空中キャンプ

    子どものころにみた海外アニメにこんな場面があった。冷蔵庫のしくみに興味を持っている男がいる。扉を開くと、冷蔵庫の内部を照らす灯りがつき、扉を閉じるとその灯りが消える。彼は、扉の開閉で灯りのオン/オフが切りかわる、冷蔵庫のしくみを確認したいとおもっている。 ここでの問題は、男が、灯りの消えている状態を自分の目で確認することができない点だ。灯りが消えているのは、扉が閉まっているときだけだが、扉を閉めた冷蔵庫のなかを見ることはできない。扉を閉じたとき、内部で灯りがきちんと消えているかどうか、それをたしかめるにはどうすればいいのか。男は取りつかれたように、何度も扉を開けたり閉じたりする。 テレビを見ながら、わたしはとても怖かった。この話をいまだに覚えているのは、それがコメディタッチの場面であるにもかかわらず、なにか見てはいけないものを見てしまったような気がしたためだ。ぜったいに確認できないものごと

  • http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20100809

  • http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20100827

  • 『十三人の刺客』を見たゼ! - 空中キャンプ

    新宿にて。三池崇史新作。よかったです! おもしろかった。快心の三池新作と呼んでいいのではないでしょうか。出演者もベテランから若手まで、それぞれのよさを発揮しながら、最終的にはひとつの物語へ向かって貢献している感じもよかったです。ストーリーも、ていねいなエピソードの積み重ね、さりげない伏線とその回収、ドラマティックなせりふの数々などによって完成度の高いものになっている。エンタテインメントとしてのクオリティがきわだっていると感じました。江戸幕府末期に君臨する暴君と、それを打倒すべく立ち上がった男たちの物語。 七〇年代、飲酒や麻薬といった問題で低迷していた俳優デニス・ホッパーは、八六年、デヴィッド・リンチ監督作品『ブルーベルベット』に起用される。彼は劇中、歯科医用麻酔ガスを吸引しながらの異様な性行為に及び、ひきつった声で「ママー、ママー」と叫びつつ、興奮の極みに達して女性を殴打する狂気の男、フラ

    『十三人の刺客』を見たゼ! - 空中キャンプ