「モリのアサガオ」で一皮剥けた感のある郷田マモラが死刑に続いて裁判員制度の是非を問う群像劇。引き籠もり青年が犯した殺人事件の裁判を舞台に、近隣住民間でのいじめや、企業不正の内部告発、引き籠もり、ネットカフェ難民、おたく等、現代に於ける様々な諸問題をブチ込み、複雑に絡みあった人間関係や事件の謎解きを通して、肯定でも否定でもなく極力ニュートラルに裁判員制度の在り方について多層的に描こうという試みは、「モリのアサガオ」での方法論を更に一歩踏み込んだもので、社会問題とエンターテインメントを高い次元で両立させることに成功している。 郷田マモラの絵は相変わらずの癖の強いもので、万人受けするものではないだろうけど、間違いなく今一番面白いといえる漫画の一つ。激しくお勧め。 TrackBack TrackBack URL for this entry: http://app.cocolog-nifty.co