タグ

ブックマーク / erlkonig.hatenablog.com (13)

  • 『幻想再帰のアリュージョニスト』がどんな小説なのか改めて説明するよ - 魔王14歳の幸福な電波

    『幻想再帰のアリュージョニスト』 はい、タイトル通りです。2014年4月1日の連載開始以来、少しずつ熱狂的なファンを増やしつつある最近のWeb小説『幻想再帰のアリュージョニスト』ですが、残念ながらその人気はまだまだ小規模です。観測範囲でたまに話題に上るからタイトルだけは知っていても、内容はよく知らないという人は多いでしょう。あるいは、「多少興味はあるけど目玉グルグルさせたファンが多くてなんか怖いし……正直引くわ……」という感じで手を出せないでいる人もいるかもしれません(猛省します)。 書籍化されているわけでもなければ、大規模にバズっているわけでもなく、掲載サイト「小説家になろう」のランキング常連作品ですらない。にも関わらず、突然はてなのホットエントリに感想記事が上がったり、プロ作家に言及されたりする『幻想再帰のアリュージョニスト』とは一体どんな作品なのでしょうか。ここでは未読者を念頭に置い

    『幻想再帰のアリュージョニスト』がどんな小説なのか改めて説明するよ - 魔王14歳の幸福な電波
  • 神話、引喩、オカルトパンク。一部で妙に評価が高いWeb小説『幻想再帰のアリュージョニスト』とは - 魔王14歳の幸福な電波

    『幻想再帰のアリュージョニスト』 この小説が面白すぎてもう辛抱堪らなくなったので(エア)ステマ*1です。 異世界転生保険とは契約者人を受取人として、保険量である新たな人生を給付する制度である。 身の程を知らない、馬鹿な思いつき――そのような予断に基づいて下された攻撃命令。暗号通貨の交換所に攻撃を仕掛けた十六人の呪文使い達が一人残らず攻性防壁で脳を灼き切られたばかりか、感染呪術によって三親等以内の親族が皆殺しにされるという大惨事に直面して、ようやく【公社】の電脳保安部の責任者は事態が自らの手に負えないレベルにあることを認識した。 事象改竄系過去遡及呪文【叙述悪戯】。 語りの焦点をずらし遠近感を狂わせ、時間を遡って過去の事象を再解釈し、『実はこうだった』という事実の開示(に偽装した過去改変)を行う類推呪術(アナロギア)の一種。 性別誤認、年齢誤認、人物誤認、数量誤認、状況誤認、時間誤認、動機

    神話、引喩、オカルトパンク。一部で妙に評価が高いWeb小説『幻想再帰のアリュージョニスト』とは - 魔王14歳の幸福な電波
  • アリュージョニスト作者の商業デビュー作『アリス・イン・カレイドスピア』が全8章中1章から8章まで無料公開 - 魔王14歳の幸福な電波

    『アリス・イン・カレイドスピア』最近 Illustration/あずき | 最前線 - フィクション・コミック・Webエンターテイメント 7月に出版されたばかりの無名作家のデビュー作をWebでほぼ全文公開するという、なかなか大胆な宣伝が星海社のサイトで行われています(巻頭のカラーページや用語解説を含め、全8章中の8章まで公開となると、残りはあとがきや奥付くらいのものなので、ほぼ全文公開と言って差し支えないでしょう)。出版以降、毎週1章ずつ公開されていてどこまで行くのかと思ったら、ついに昨日クライマックスまで読めるようになってしまいました。期間限定の公開なのかなとも思いましたが、今のところ「掲載期間」の欄にも期限は明記されてないし、ずっとこのまま公開し続けるのかもしれません。 『アリス・イン・カレイドスピア』といえば、ごく一部でカルト的な人気を誇るWeb小説『幻想再帰のアリュージョニスト』の

    アリュージョニスト作者の商業デビュー作『アリス・イン・カレイドスピア』が全8章中1章から8章まで無料公開 - 魔王14歳の幸福な電波
  • 誉めたい作品ほど文句が増える - 魔王14歳の幸福な電波

    じぶんごと。私の感想の書き方的な話。 おかげさまで、つまらない作品を読んだことがありません みたいな記事を昔書いたことがあり。一年以上前の記事ですが、今も基的なスタンスはあまり変わってません。でも、より詰めて考えられるようになったところはあります。 フィクションに関する限り*1、「このはつまらないので読む価値はありません」といった類の感想は書きません。「皆面白いって言ってるのに私はどこが面白いのか分からなかった、悔しい!」っていう敗北宣言*2を載せることはたまにあります。でも「つまんない、読む価値なし」と切って捨てるくらいなら、そんな感想書く時間を惜しんで別のことします。 でも、そう書くと「誉めてばっかりのサイトはつまらない」みたいなことを言われちゃいます。実際そうでありましょう。なのでもう少しスタンスを詰めて表すと、作品の欠点を挙げて並べ立てること自体に抵抗はありません。実際、感想の

    誉めたい作品ほど文句が増える - 魔王14歳の幸福な電波
  • おかげさまで、つまらない作品を読んだことがありません - 魔王14歳の幸福な電波

    「つまらない理由」をいくら列挙しても「面白い」という評価は否定できないに関連して言い足りなかったこととかを。 数少ない私のじまんというかささやかな矜持というか。少なくとも商業作品として出回っている漫画小説*1について、「読むんじゃなかった」と後悔したことは一度もありません。 もともと選びにあまり冒険するタイプではないのであまり変なのは避けてこれたというのもありますし、を一冊読んで「つまらなかった」という否定的感想しか抱けない、その程度の読みしかできないのはとても恥ずかしいことだという自戒*2もあります。 もちろん、「面白さの分からない作品」に出会うことはよくあります。サリンジャーさんのごの楽しみ方がよく分からなかったときはけっこう悩みましたし、音楽・絵画など「物語」以外のジャンルになるとさらに「分かる範囲」が狭くなります私の場合。 でも、そういうものに触れたとき「読む価値のないつま

    おかげさまで、つまらない作品を読んだことがありません - 魔王14歳の幸福な電波
  • SF小説の視点のレイヤ、あと物語感覚の加速について - うえお久光『紫色のクオリア』 - 魔王14歳の幸福な電波

    背景 発売当初から、『紫色のクオリア』が凄い、という話は繰り返し聞いていました。だから、まず傑作なのだろう、とは思っていはいたのです。ただ、「傑作」程度の作品は年に何十作も生まれてくるし、過去を含めると膨大な数に上ります。その全てを読むのは土台無理なことなので、「傑作」だと聞くだけでは、特に指は動きませんでした。 でも、しばらく様子を見ていると、どうも様子がおかしい。「傑作」は稀少ではありますが、それでも相当の数が世に出回っているのは間違いないです。ある傑作を堪能したら、次は新たな傑作を求めてさまよい歩く。それが、フィクションを悦びとする多くの人の習性です。ただ、そのわりには、『紫色のクオリア』はあまりに長いあいだ話題に上り続けていました。 夏頃に出版されてから、もう半年。それなのに、『紫色のクオリア』の話題は、いまだにちょくちょく見かけます。具体的にはid:kaienさんとこのチャット

    SF小説の視点のレイヤ、あと物語感覚の加速について - うえお久光『紫色のクオリア』 - 魔王14歳の幸福な電波
  • 読書眼たる武器を増やすということ - 平野啓一郎『小説の読み方』 - 魔王14歳の幸福な電波

    小説を読む際の着眼をどのように置くか。そのパターンを多く持っているほど、たくさんの「武器」に習熟した人だと言えるでしょう。 豊穣な解釈のポテンシャルを秘めた作品であっても、対応する「武器」の用意が読む側になければ、「つまらない」か「分からない」くらいの感想しか出てきません。ある種の作品に対して恐ろしく深遠な読みのできる人が、別種の作品に対しては驚くほど浅薄な紋切り型の解釈しかできない、という例が少なからず見受けられるのは、その人が操れる「武器」の種類に偏りがあるからだと思います。 「武器」の扱い方は自分で編み出すこともできるし、他人の話を聞いていくことで習得することもできます。自分の持てる「武器」をいくつも組み合わせ、状況に応じたふさわしい「読み」をひとつひとつの作品に対してカスタマイズできるようになること。理想的な「読者像」*1のひとつとして、そんな姿がイメージできます。 そういう「武器

  • 『思考の整理学』 - 魔王14歳の幸福な電波

    1 すごくハイスペックな人なんだな、というのが読んでて分かるご。いちばん頭が冴えるのは「朝飯前」なので、朝を遅らせて昼まで「朝飯前」の状態を維持すればよい……とか、かなり個人的で無茶な話も載っています。 ただそういうのも含めて、ハウツーではなく個人的な方法を語るエッセイ的なであるという注意書きはされています。ひとつひとつの具体的な「方法」自体を鵜呑みにして真似るのではなく、抽象化して自分の中に取り入れることができれば、有意義な経験にもなるかと思います。 2 アイデアは一気に詰めず、ストックしたまましばらく「寝かせる」のがよい そうすれば、つまらないアイデアはそのまま忘れ、見込みのあるアイデアが残る 「忘却」という人間の機能の活用 人間は自然と「異」を作ろうとするので、寝かせているアイデアは自然と洗練されたり、醸成されたり、他のアイデアと化合したりする アイデアをノートに記し、定期

    『思考の整理学』 - 魔王14歳の幸福な電波
  • 「やる夫シリーズ」とケータイ小説の表現的類似など - 『やる夫がドラゴンクエスト3で遊び人になるようです』 - 魔王14歳の幸福な電波

    あんそく やる夫がドラゴンクエスト3で遊び人になるようです 【01、02】 「やる夫シリーズ」って1〜2スレッドくらいで終わるやつでしょ? と軽い気持ちで読み始めたら……甘かったです。蓋を開けてみれば、まとめサイトですら28ページに及ぶ大長編。これがまたえらい面白かったもんですから、時間にしてまるまる6時間、がっつり一気読みしてしまいました。最初はのんびり読んでたんですが、第6話で一気に突き抜けた感じ。めぼしいイベントはほぼ網羅しているので、DQ3ファンはそれだけでも楽しめるかなと思います。 ふたつのレイヤ 勇者:蒼星石 戦士:やらない夫 僧侶:柊かがみ 遊び人:やる夫 これが初期メンバー。途中で登場するサブキャラやボスモンスターも、京アニ/ローゼンメイデン/ひぐらしあたりをベースにした構成。長編のやる夫シリーズというのを読んだのは初めてだったのですが、スターシステムとクロスオーバーのごっ

    「やる夫シリーズ」とケータイ小説の表現的類似など - 『やる夫がドラゴンクエスト3で遊び人になるようです』 - 魔王14歳の幸福な電波
  • 「勇気があればなんでもできる」という絶望 - 魔王14歳の幸福な電波

    「要は勇気がないんでしょ?」は、「勇気さえあれば行動できる」という主張の裏返しでしょう。似たようなので、「人生は気持ち次第」という話もあります。これらの主張は、圧倒的に正しいと思っています。 仕事を探す、女の子に話しかける、絵の練習を始める、明日から気出す。ある分野でトップを目指す等の高度な目標を設定するならともかく、「最初の一歩」*1を踏み出すのにノウハウや資は必要ありません。やるか、やらないか。勇気を出すか、出さないか。そうでしょう。全てはそれだけの問題であり、人生は気持ち次第でどうとでもなるのです。 こういった主張を、福音に感じる人がいます。そういう人は幸せです。彼らは、人生をより良くするための切符を手にしています。後は、それを改札口に差し出すだけ。「勇気さえあれば行動できる」「人生は気持ち次第」という原則を胸に秘めて、どうぞ充実した人生を歩んでください。 でも私は、「勇気さえあ

    「勇気があればなんでもできる」という絶望 - 魔王14歳の幸福な電波
  • 全描写が伏線のWeb漫画、 『胎界主』 が凄い、本当に凄い - 魔王14歳の幸福な電波

    Web漫画 胎界主 この漫画が、当に凄いのです。 無料で読めるWeb漫画です。だから「ネットでお金も払わずにこんな面白い漫画が読めるなんて、今はいい時代だなあ」なんて思いながら読み始めました。でも、十話も読み進めると、そんな条件付きの感想はどっかに吹き飛びました。「こんな凄い漫画が読めるなんて、当に嬉しい」 後半は、そんな感慨を抱きながらの一気読みでした。 一級のストーリー漫画だと思います。独自の宇宙法則/世界構造とか、派閥抗争に知謀を巡らす悪魔とか、腕力ないけど瞬時の状況対策が凄い主人公とかの話です。主人公は、人嫌いだけど人助けして金銭を巻き上げる、ブラックジャックが何でも屋に鞍替えしたみたいな男です。 とりあえず第一話を読んでみます。一読して、わけの分からない作品です。わけが分からないけど、にも関わらず明らかな魅力があります。だから、再読します。再読するとちょっと分かるのですが、や

  • 「このルサンチマン充め!」という皮肉で真に傷つくのは、本当に苦しんでいる弱者 - 魔王14歳の幸福な電波

    http://d.hatena.ne.jp/kaien/20090307/p1 書かれてある主張には全く同意なのですが、にも関わらず覚える違和感。 「ルサンチマン充」と呼ぶべき人々は、たぶん相当数存在するのでしょう。ただし、認知と実動が正しく接続されておらず、どんなに頑張りたいという思いがあっても行動や成果に繋がらない、真の「持たざる者」も、また多数存在するはずです。 そして、「ルサンチマン充」と、「持たざる者」を見分けることは、容易ではありません。真っ二つに切り分けること自体が正しいのか、という議論もあるでしょうし、その境界は恣意的になりえます。 「このルサンチマン充め!」という皮肉りが「ルサンチマン充」な人にのみ向けられるのなら、何も問題は感じません。けれど現実問題として、この言葉は「持たざる者」をもまた等しく攻撃してしまいます。その時この言葉は、"うつ病患者に「がんばれ」と言う"に等

    「このルサンチマン充め!」という皮肉で真に傷つくのは、本当に苦しんでいる弱者 - 魔王14歳の幸福な電波
  • 魔王14歳の幸福な電波

    store-jp.nintendo.com ホラーとミステリをいい具合に配分した推理ADV。今年のGWのメインにと前々から楽しみにしていたゲームですが、たいへん面白かったです! 伝統的な推理サウンドノベルの仕組みを踏まえた作りだと思いますが、プレイヤーの理解度とシナリオ展開を程よくリンクさせて気持ちよく読み進められるような工夫が随所に凝らされていて、この分野の洗練を感じました。 なるべく予備知識なく遊ぶのが面白いタイプのゲームだと思うのでお話的なところにはあまり触れません*1が、情報開示のスピードがとにかく小気味良かったです。察しのいいプレイヤーが「こういうことかな?」と仮説を組み立てたくらいの段階で早くも「正解!」と答え合わせをしてくれて、すぐさま新たな謎も提示して話を引っ張ってくれる、絶妙のテンポ感でした。「え? もうそこまで話し進めちゃうの?」と驚く場面も多々ありましたが、既に察しの

    魔王14歳の幸福な電波
  • 1