2011年初頭から中東諸国で本格化した一連の民主化運動「アラブの春」により政権交代を迎えた国々は、今、それぞれがトンネルの闇の中にいる。1月25日に革命4周年を迎えたエジプトの『アルアハラーム』新聞記者が、エジプト、チュニジア、イエメン、リビアおよびシリアの革命の現状を分析する。 祝えぬエジプト革命記念日 エジプトの1月25日革命4周年記念日にあたり、分裂、騒乱、緊張と悲嘆が支配する陰鬱な空気の中、本稿を書いている。悲嘆というのは、アブドッラー・サウジアラビア国王の逝去に哀悼の意を表して革命記念の公式イベントがキャンセルになったからばかりでなく、刑事裁判所の判決を受けて革命4周年の直前に検察が汚職で告発されたムバラク元大統領の息子2人の釈放を決定したためだけでもない。 この瞬間にも、エジプト国民自身の間に、1月25日という日のエジプトの歴史における重要性についての議論が拡大しつつあるからで