◆愛する相手に性別の「差」は不要 「母の日になると、プレゼントを2人分買わなくちゃいけないから、それがちょっとした出費になるかな?」。そう言って、14歳の少女は屈託なく笑った。彼女は、父親の顔を知らない。どこにいるのかさえ、わからないという。その代わり母親なら、2人いる。年頃の少女の悩みに適切なアドバイスを与え解決に導き、常にサポートしてくれる頼もしい母親たちのことを、彼女は心から尊敬している。 2000年12月、世界初の 同性結婚法が成立したオランダには、この少女のように母親を2人持つ子どもや、父親を2人持つ家庭に生まれ育った子どもたちがたくさんいる。「私のパパは、ドナー(精子提供者)」とか、「僕には、卵子提供者と代理母の2人の母親がいるんだ。でも、家族として一緒に暮らしているのは父親2人だよ」など、家族形態も実に様々である。オランダでは、父親プラス母親イコール夫婦はひとつのオプションに