アイヌに出会うまでの細道 ──どのような経緯でアイヌに関心を持ったのですか? まず日本に関心を持ち、それからアイヌに関心を持ちました。 日本に興味を持ったのは、父方の祖母の影響です。映画好きの祖母が三船敏郎のファンだったんです。それでフランスのテレビで黒澤明の作品が放送されるときは祖母と一緒に見ていました。 『羅生門』を見たときの衝撃はいまでも覚えています。突然、私の目の前に日本という不思議な国の景色が広がりました。 人生で初めて見た日本人がおそらく三船敏郎だったのだと思います。いい役者ですよね。ハンサムだし、野獣みたいなところもあります。『羅生門』の三船を見て、まだ幼かった私はおっかなくて震えあがりました。 それから12歳になった頃、日本というお寺が多い神秘的な国があると友人に話していたら、その友人が中学校の図書館から三島由紀夫の本を借りてきて私に貸してくれました。 それが『金閣寺』でし
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