●「金田一耕助の冒険」は駄作か?(ネタバレあり) 数ある金田一耕助映画の中でも、1979年、映像金田一ブームのさなかに角川映画が大林宣彦監督と組んで作った「金田一耕助の冒険」(配給=東映 制作=三船プロ 同時上映=松田優作の「蘇える金狼」)は、駄作、怪作の評判が高く、邪道のように言われることが多くあります。一部の横溝ファンの間では、こよなく愛されているのですが。 私は、大林宣彦監督のファン(信者に近いですね)でもありますので、この評価を大変、残念に思っております。というのは、この映画は、日本でも珍しい、探偵論の映画だからです。その辺、メタ・ミステリとも呼べるのですが、私はこの用語を好みませんので、悪しからず。 具体的にそれがはっきりするのは、事件が解決した後の、古谷一行演ずる金田一耕助の長いモノローグです。ちなみにこの映画は、斉藤耕一・中野顕彰が脚本を書き、つかこうへいがダイアローグ・ライ