昨年末、家族で映画「武士の家計簿」を観に行った。武士の話しでありながら人が切られるシーンなどが全くなく、血を見るのが嫌いな臆病者としては安心して見ることができた。地味な映画なので、少ないかなと思ったが、平日なのにそれなりの人が入っていた驚いた。ほとんどがお年寄り。あまり平日も休日も関係がないのかもしれない。映画の原作は、磯田道史氏の武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)。新書として発売されたが、売れに売れているようで、かなりの版を重ねているようだ。映画宣伝の帯入りのものもつくられ、これからさらに版を重ねていくことだろう。 映画の主人公は金沢藩士猪山直之。加賀藩百万石の算用方から藩主の書記官である御次執筆へと出世した人物。しかし、仕事の順調さと裏腹に、猪山家の家計は借金まみれで火の車。家族の持ち物を持ち寄り、ほとんどを商人に売り払い、立ち直っていく。自分の息子の袴着の重要