全体会合で議事を進める松本龍環境相=29日午後5時26分、名古屋市熱田区、竹谷俊之撮影 名古屋市で開かれた生物多様性条約第10回締約国会議(国連地球生きもの会議)は30日未明、医薬品のもとになる動植物など遺伝資源の利用について定める国際ルール「名古屋議定書」と、生態系保全の世界目標「愛知ターゲット」に合意した。手続きを進めた後に採択し、閉幕する見通しだ。条約の根幹をなす二つの主要議題をめぐる交渉は難航したが、議長国・日本は、期限ぎりぎりで期待された成果をあげられそうだ。 名古屋議定書は、企業が医薬品や食品の開発につながる動植物や微生物を利用した場合に、金銭の支払いや共同研究への参加を通じて、資源がもたらす利益を原産国と分け合う国際ルールだ。 会議では、食糧や木材など世界中の自然を利用して発展した先進国と、植民地時代から多くの資源を持ち出されてきた途上国の主張が対立。事務レベルの交渉で