干ばつで傷んだ木は、固有の音を出すそうだ。その悲鳴を聞き取り、助けるための手掛かりが見つかったという。フランスの研究チームは、乾燥ストレスを受けた木の内部で発生する泡から超音波をとらえることに成功した。 フランス、グルノーブル大学の物理学者アレクサンドル・ポノマレンコの研究チームは、木がどのように水を取り込んでいるのかに着目した。木部の導管と呼ぶ特殊な管の束が、水分子の引力、水と植物細胞の引力を利用し、液体を最上部の枝葉まで届ける役目を担っている。 導管は長いストローのようなもので、地面から水を吸い上げるが、地中の干ばつで水分が不足すると、強く吸い上げなければならないため負圧が上昇、導管部が破壊されて水に溶けていた空気が木部で発泡し、水の流れを妨げてしまう。 これは、キャビテーションと呼ばれる、液体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象だ。 木はある程度までは耐えら