金融系で約50億円の不採算案件が発生 「営業利益の予想達成は厳しい状況だ。売り上げの上振れによる利益の上積みやコストコントロールによって、できる限り予想値に近づけたい」。NTTデータの柳圭一郎副社長執行役員は2020年2月4日、険しい表情でこう語った。同社は2020年3月期通期で前期比0.2%増の1480億円と営業増益を見込んでいたが、一転減益になる可能性がある。 主たる理由は国内の政府系金融機関のプロジェクトでマイグレーションに手間取り、50億円近い損失が出たからだ。不採算に陥った理由について、柳副社長は「(システムの)中が込み入っていたので規模が拡大してしまった」と述べた。 さらにEMEA(欧州・中東・アフリカ)・中南米事業で構造改革費を増やしたことも減益につながった。公共・社会基盤事業などは好調だったが補えず、2019年4~12月期の売上高は前年同期比5.9%増の1兆6420億円と増