「死の海(dead zone)」と呼ばれる、水中の酸素含有量が著しく低いエリアが、世界中の海で増加している。現在死の海は世界中に405エリア確認されているが、その大多数が1960年代以降に発生したものだそうだ(Scientific Americanの記事、Science誌掲載論文の要旨、AFPBB Newsの記事)。 死の海は周辺の生態系に影響を与えるだけでなく、経済的なダメージも与える。たとえば、1976年にニューヨーク州やニュージャージーの沿岸部で発生した、1000平方キロにもおよぶ海の低酸素化により、最終的に5億ドルもの損害が起きたそうだ。また、米国チェサピークの沿岸に発生した死の海では、毎年約8万3000トンにも及ぶ魚や海中の生物が死んでいる。 死の海は肥料の河川からの流入や、化石燃料の燃焼時に発生する窒素化合物が雨水に溶けて海に注がれる、といった海洋汚染が原因とされており、化学肥
スーパーの売り場には無農薬/低農薬栽培や有機栽培を謳った野菜が多く並べられている。それらは通常の野菜よりも高価だが、より安全でより美味しい野菜を求める人々に広く受け入れられている。 だが、本当に無農薬/有機栽培野菜は通常の野菜よりも毒性が少ないのだろうか? またこれらの野菜は通常の野菜に比べ美味しいのだろうか? なんの疑いもなく、無農薬/有機栽培野菜の方が安全で、子供たちには良いものだと決めつけてはいないか? 仮に通常の野菜と比較してメリットがあるとして、それは追加コストに見合うだけの価値があるのだろうか? 前回、遺伝子組み換え食品について取り上げたときと同様に、『メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)』において参考文献を示した上で、必ずしも無農薬/有機栽培野菜の選択が理に適った行動ではない場合がある事実が記載されているので、それらに基づいてこの問題を考えたい。この
kazuhix氏の日記「Pを軸に食物自給率の意義を考えてみた」を見て、すでに土台は崩れていたのかと思いながらリンについて調べてみたところ、20日の毎日新聞では、「全農:化学肥料卸値、2倍 過去最大の上げ幅--来月以降」というニュースが報じられている。売るということは調達はまだできているようだが、「店頭から国産野菜が消える? 米・中が肥料の輸出を実質禁止」と報じられるような状況であり、かなり深刻である。 では昔のように肥溜をというような話はどうかというと、周辺では問題を認識して対応していたようで、日本下水道事業団の「枯渇が予想される貴重なリン資源の長期的安定確保」(PDF)のような活動もある。ただし、これを見ると、下水処理場に流入するリンの量は輸入量の10~20%らしいので、下水での再利用は急務だとしても、サイクルになるまでは難しいようだ。残りはどこに消えてしまっているのだろう。
織田信長 ぼちぼち、元気にやっています。少し薬にも慣れた...んかなぁ。相変わらず食べられないけど。朝、指がこわばって文字なんて入力できなかったけど、それはほぼなくなった。関節もどこも痛くない。薬効いてきたんやろな。 で、ブログを書こうと言う気がまた起きてきた。 …
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共同通信の記事より。農作物を病気から守る「乳酸菌農薬」を、京都府農業資源研究センターなどのグループが開発したとのこと。これまで納豆菌や軟腐病菌を使う農薬はあったが、乳酸菌の利用は世界初だとか。 乳酸菌といってすぐ思い浮かぶのはヨーグルトだが、今回使われたのはピクルスなどの発酵植物製品から分離されるペディオコッカス属。液状化した乳酸菌に種を24時間浸すという処理により、ホウレンソウやトウガラシにおいて、病原菌のいる土壌でも健康に発芽させられたという。 この乳酸菌液の実用化は2012年ごろを目指すとのこと。化学物質を使わず安全という触れ込みだが、それなら植物だけでなく、動物やヒトにも有効性はないのだろうか。ヨーグルトで歯磨きする人がいるそうだけど、これで商品化できそうでは?
diggからの情報です。 Proof That Evolution Works Faster Than Genetic Engineering 元記事はこちらです。 First Proof that Evolution Can Work Faster Than Genetic Engineering タイトルを直訳すると「遺伝子組み換えよりも素早く起こる進化の最初の証拠が発見された」とでもなると思います。 モンサント社の遺伝子組み換え綿花には bollworm moth (ワタキバガ)と呼ばれるガの幼虫を殺す、『バチルス・チューリンゲンシス』という細菌(Btと呼ばれる)から取り出した物質の遺伝子が組み込まれています。 この物質はヒトには害を与えないので、安全な生物農薬として散布されることもあるのですが、それよりは綿花に遺伝子を組み込んでしまえば農薬を撒く手間が省けるということで、1996年
トレンド・スポッター、経済アナリスト。日経CNBC「ヴェリタス・トーク」、TBS「森本毅郎スタンバイ」(毎週金曜朝7時台)、ラジオ日経「Roundup World Now」(毎週金曜午後10時半)など。日課は朝の散歩。毎日違うコースを歩くようにしています。街の観察にもなる。
先日NHKの朝のラジオで農政学者大泉一貫宮城大学教授が、最近の米価下落について話していて興味深かった。備忘を含めてメモ書きしておこう。 まず現状だが、公設の米入札機関、米価格センターでは、米価は今月に入って昨年比で8%下落しているとのこと。従来も米価下落はあったが3%前後だったので今年は異例ということになる。なぜ米価は今年がくんと下がったか? 豊作だから下がるという単純なことではないらしい。 大泉によれば、問題の基軸は米価に市場の需給動向が反映されるようになったということだ。従来は、生産調整政策や、米価格センターが希望価格・入札制限で高値誘導をしていてその影響が強かった。しかし生産調整効果は薄れ、米価格センターの改革も進んだために市場が機能しているらしい。 生産調整の背景には3つの要因があるとのこと。(1)消費量の減少速度が速い、(2)今年は適性需要より20万トン上回っていた、(3)海外か
切込隊長さんがご紹介されていた、神門善久先生の農家切り捨て論のウソですが、その中には農家・農政に対する客観的に妥当な評価とは言い難い記述が散見されます。webmasterはかつて神門先生の農業に関する書籍を好意的に紹介したこともありますし、兼業農家の多い産業構造、農地転用期待からくる農地配分の歪みといった問題意識の基本的枠組みには同意しています。しかしながら、そうした問題について世の注意を喚起するためとはいえ、レッテル貼りが許されていいものではないでしょう。 #「転用期待からくる農地配分の歪み」については、かつて詳細に論じましたので、ご関心の向きはご高覧ください。 マスコミは「零細農家イコール弱者」のような形で描きたがりますが、現実には彼らほど恵まれた人たちはいない。農地の固定資産税が軽減されているうえに、相続税もほとんどかかりません。たとえ“耕作放棄”をしていてもですよ。 そのうえ、農
松岡利勝の記事のコメント欄で、食料自給率をめぐって論争が続いている。特に先月、農水省が日本の自給率(カロリーベース)が40%を割ったと発表したことで、民主党が「自給率100%をめざす」などと騒いでいる。 しかし、この問題についての経済学者の合意は「食料自給率なんてナンセンス」である。リカード以来の国際分業の原理から考えれば、(特殊な高級農産物や生鮮野菜などを除いて)比較優位のない農産物を日本で生産するのは不合理である。そもそも「食料自給率」とか「食料安全保障」などという言葉を使うのも日本政府だけで、WTOでは相手にもされない。 食料の輸入がゼロになるというのは、日本がすべての国と全面戦争に突入した場合ぐらいしか考えられないが、そういう事態は、あの第2次大戦でも発生しなかった。その経験でもわかるように、戦争の際に決定的な資源は食料ではなく石油である。その99.7%を輸入に頼っている日本が
2007年08月20日 06:30 農林水産省は8月17日、お米の1人・1か月あたりの消費量の最新データを発表した。それによると2007年6月分のお米の1人・1か月あたりの消費量は前年同月と比較して、全世帯で1.1%減少し、4キロ696グラムとなった。お米の消費量は年々少しずつではあるが減少しており、2003年以降は5キロ/人・月を割り込む状態が続いている(発表リリース)。
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さて、毎回力作ぞろいで歴史に残る名シリーズの予感もするNHKスペシャル『激流中国』だが、中国北部の水不足を扱った今回も見ごたえのある内容だった(なんかこればっかり言っているような気もするが)。ただ「南水北調」に対する検討など水不足問題の全体像に関する説明はそれほど詳しくなかったので、先日紹介した富坂聡氏のルポルタージュを合わせて読むのをお勧めする。 深刻な水不足に悩まされているにもかかわらず、地元にあるダムの水を「北京に回すため」ということで使用を禁じられている近郊の農村での取材の様子も実に興味深かったが、個人的にツボにはまったのは「降雨弾」を打ち上げて人工雨を降らせるシーンだった。 近年中国のあちこちで降雨弾を打ちまくっていることは「降雨弾」でググって見ればすぐに分かることだが、実際に打っている様子を見たのはこれが初めてだった。ホンモノのロケット弾みたいで結構カッコイイではないの。これな
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