[Tyler Cowen, “Spent: Sex, Evolution, and Consumer Behavior,” Marginal Revolution, April 29, 2009] ――というジェフリー・ミラーの新著が出た.ミラーといえば,『恋人選びの心:性淘汰と人間性の進化』の著者として有名だ.議論の展開にはちょっとまとまりがないけれど,いちばんよく書けてる部分はぞくぞくするほどたのしい.おすすめ.手にとってすぐに読み始めてよかったと思ってる. 本書の核心部分をなす説は,ウェブレン的な論点だ.進化でかたちづくられた生物学的な生き物としてシグナリングにのめりこんでしまうぼくらが抱える弱点にマーケティングはつけこんでいるとミラーは言う: 進化心理学者としての観点から考えると,消費資本主義はまさしくこんな具合の仕組みになっている:〔子供を残しやすい〕適合度に関連するのぞましい性