円が今週、2014年以来の高値を付けたことに多くの為替トレーダーやアナリストは当惑した。この円相場の動きについては、債券市場を通して見ることで最も良く理解できるようだ。 日本経済の状況は厳しく、当局者が懸念を表明しているにもかかわらず、円は今週、対ドルで3%余り上昇した。これは週間ベースで2月以来の大幅な上げ。日本の国債利回りは多くの年限でマイナスとなっており、表向きには円の魅力が減退していることを考慮すれば、円高進行はあり得ないように見える。 しかしモルガン・スタンレーとソシエテ・ジェネラルによると、インフレ調整後の日米の利回りを見ると、日本の10年国債は米10年債と比べ、魅力が増している。今月に入り主要通貨の中で円が対ドルで最も上昇している理由について説明するため、両行は実質利回りから見た米国の優位性の後退を示す指標を挙げた。 モルガン・スタンレーの米通貨戦略共同責任者、カルビン・ツェ