ぜいたくしていないのに手元に残るお金が年々減っている。そんな実感をもつ人は少なくない。そのカラクリを「見える化」すると――。(編集部・石田かおる) 「最近、家計相談に異変が起きているんです」 2万世帯以上の家計診断を行ってきたファイナンシャルプランナー(FP)で、家計の見直し相談センター代表の藤川太さん(46)は首をかしげる。 ●家計から消えた「聖域」 異変の一つは、家計に余裕のある人たちが不安にかられて相談に来るようになったことだ。 「預金が1億円たまってもおかしくない家計なのに、不安だと訴える方が立て続けにいらっしゃいました。こうした層の関心事は、もっぱら資産運用だったのですが……」 二つ目は、家計のムダをすでに削りに削った相談者が増えていること。家計の収支改善は、保険の見直し、住居や車にかかる費用の削減など、固定費から着手するのが王道だが、 「固定費をギリギリまで絞った
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