例えば、お婆ちゃんが美空ひばりの歌を聞いて、その歌詞に感心して「ひばりちゃんは、いい事を言うよね」と言ったとします。それに対して「いや、歌詞を書いているのは美空ひばりじゃないよ。作詞家だよ」なんて理屈っぽい事を言う人がいますよね。あれ、いないですか? 僕だけですか? まあ、いいです。そういう人がいるという事にして話を進めます。 作品を評価する時に「脚本が上手い」とか「演出がいい」とか言う事がありますよね。学生時代に友人が、あるアニメ作品について「演出の詰めが甘い」と評した事があって、その言い方が格好いいなと思った。だけど、自分はそういう評価の仕方は苦手なんですよ。「脚本が上手いって何?」とか「演出の詰めってなんだよ!」と思ってしまう。 話がよくできている場合や、見せ方が上手な場合があったとして、それがどこまで脚本の力なのか、演出の仕事なのかは、外部からはなかなか分からないじゃないですか(い