「イケメン」という言葉が市民権を得て、どのくらいたつのだろうか。仮面ライダーや戦隊シリーズなどのヒーロー番組は、そうしたイケメン俳優の登竜門として定着した。雑誌やテレビの特集で彼らに光が当たる機会も激増している。 だが、ヒーロー番組の真の主役である、ヒーロー自身を演じる俳優のこととなると、あまり一般には理解されていない。ヒーローの「中の人」のことを、マニア以外に説明するのは、いまだに至難の技だ。 「運動ができる人のバイト?」とか「面で顔が出ないなら誰がやっても同じでは?」とか、これまでどれほど言われたか。 しかし、全く違うのである。スーツアクターと呼ばれることもある彼らは、訓練によって高度なアクション能力と演技力を身に着けた、アクション俳優なのである。単純に跳んだりはねたりするだけではない。物語の中でのアクションなのだから、演技が伴わなければならないし、アクション以外の芝居をすることもある