「超魔術」で大人気のマジシャン、Mr.マリックさん。じつは高校卒業後はガス湯沸かし器で有名なパロマ工業に入社し、手品とは「観客」として接するだけだったという。当時をこんなふうに振り返る。 * * * そのころの楽しみは、名古屋のデパートに行って手品道具の実演販売を見ること。日曜なんて朝から晩まで見ていましたね。「好きなことをしてお金がもらえるのっていいな」と思っていたら、たまたまその仕事に空きが出たんです。親に相談したら、案の定、大反対されました。パロマに入社してまだ半年でしたし、なにより手品なんて怪しい仕事で食っていけるのかと。 親に認めてもらうために、まずは自分の手品を見てもらおうと考えたんです。それで「素人名人会」という視聴者が参加して芸を競うテレビ番組に出場したんです。 見事ファンファーレが鳴り、合格。親は感心はしてくれましたが、「まぐれだ」と言って認めてはくれません。もう一度