今場所の白鵬が目指す32回目の優勝は、相撲ファンであれば誰でも その意味を知っている。 本来ならば今場所はこの一点に話題が集中するはずなのだが どちらかと言えば逸ノ城の方が話題が出やすい状況だ。 前回の記事ではその理由として 凄すぎる白鵬がこの記録を達成するのは時間の問題で、 凄すぎる故に感情移入しづらく、 力を入れて白鵬を後押しする心情に成りにくい、 という話をした。 相撲界が危機的な状況だったからこそ、 世間は完璧な横綱を求め、白鵬はそれに応えた。 しかし完璧だからこそ白鵬は興味の対象にならないのだとすれば これほど皮肉なことは無いと私は思う。 さて、白鵬の記録が話題になりにくい理由だが、 実はもう一つあり、こちらの方が根深い。 それは、今の白鵬の土俵態度にどう向き合えば良いか、 混乱していることである。 白鵬は前述のとおり、危機的な状況の相撲界で 力士としても人間としても完璧な姿を体