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ブックマーク / garth.cocolog-nifty.com (28)

  • 砂時計 (2008) - 映画評論家緊張日記

    監督・脚:佐藤信介 出演:松下奈緒、夏帆 公式サイト これ、主演松下奈緒のように宣伝されているのだが、話の八割は夏帆が出てくる過去の島根の話。夏帆の田舎暮らしか~と『天然コケッコー』を思い出してぽわわわとしているあなた、残念それは孔明の罠だ! 時は一九九五年、事業に失敗した父親と別れた母に連れられて杏(夏帆)は田舎に帰ってくる。だがもともと繊細だった母は離婚のショックと閉鎖的 な田舎暮らしのプレッシャーで病に。ついにある日ぶらりと山に出かけ、帰らぬ人になってしまう。以来杏は心を閉ざし、何かあるたびに不安に怯えて暮らす ようになる。友人がふらっと家出すると「お母さんのときと一緒だ!」と恐怖に震え、いきなり地面に沈み込むような不安の発作に襲われて卒倒してしまう。遠 くの方でピントの合わない黒髪の少女がゆらゆらしてる、とか完全にホラー映画の演出。恐怖のつるべ打ちにすでに夏帆の神経はボロボロ、

    砂時計 (2008) - 映画評論家緊張日記
    soylent_green
    soylent_green 2008/04/29
    「『天然コケッコー』を思い出してぽわわわとしているあなた、残念それは孔明の罠だ!」ええー
  • 『なぜケータイ小説は売れるのか』 - 映画評論家緊張日記

    田透の『なぜケータイ小説は売れるのか』(ソフトバンク新書)読む。たいへんおもしろかった。このの主張を一言でまとめてしまえば、ケータイ小説は現代の女子中・高生のあいだで民間説話のように消費されている、ということになるだろう。これはたいへん卓見で、とりわけ レイプや妊娠や不治の病といった不幸イベントを堪え忍んだ結果、「真実の愛」を見つければ全ての不幸なイベントがキャンセルされ、「幸福」になれるという信仰。それが、リアル系ケータイ小説を読む少女たちの心の中に存在する。だからこそ、「神様」とか「天使」とかいう宗教的概念が連発されるのだ。 という分析には蒙が啓かれた。田透は「恋愛主義」の支配を訴えていたわけだが、どうとうそれは宗教にまでいたってしまったというわけだ。「自分探し」がひとつの宗教と化している……というと、なんだか香山リカみたいだな。 この恋愛信仰は、東京においては肥大化した資

    『なぜケータイ小説は売れるのか』 - 映画評論家緊張日記
  • 新装版『拷問者の影』 - 映画評論家緊張日記

    早川書房で打ち合わせ。4月から刊行がスタートするジーン・ウルフの〈新しい太陽の書〉新装版の第一巻『拷問者の影』の解説の件。責任重大なり。なお新装版は4月より毎月刊行で、順調に行けば8月には『新しい太陽のウールス』が刊行となります。訳者はもちろん岡部宏之氏。 ついでに新装版の表紙も見せてもらいましたが……まあこれが発表されたら2chウルフスレは阿鼻叫喚の嵐となること請け合い。ぼくとしては、これで一人でも新しい読者が増えてくれたらいいなあ、と前向きにとらえることにします。どうせウルフ自身がイメージするセヴェリアンはTimescape版のマッチョマンだったわけだしね!

    新装版『拷問者の影』 - 映画評論家緊張日記
    soylent_green
    soylent_green 2008/02/09
    「2chウルフスレは阿鼻叫喚の嵐となること請け合い」
  • さよならSF大会 - 映画評論家緊張日記

    Nippon2007(第46回日SF大会兼65th World Science Fiction Convention)に行ってきた。 SF大会には久しく行ってなかったんだけど、今回はおそらく最初で最後の日でおこなわれるワールドコンなので出かけることにした。ロバート・シルヴァーバーグにサインをもらい、ヒューゴー賞授賞式を見物し、英語企画も物色し、テッド・チャンインタビューもNW企画も見て、三日間たっぷりSFを満喫した。 で、あらためてしみじみと思うのは、SF大会は進化の袋小路に入ってしまったなあ、ということだ。 はじまる前、あまりに準備の態勢がデタラメなので、「史上最低のワールドコンと言われるのではないか」「国辱ものだ」と心配している人も多かったのだが、蓋を開けてみればワールドコンの海外客はたいそうのんびりまったりしていて、キリキリしているのは日人参加者だけだった。それは企画にもはっき

    さよならSF大会 - 映画評論家緊張日記
    soylent_green
    soylent_green 2007/09/04
    ファンダムの亀裂の問題。/SF内におけるプロアマ問題って結構根深いよね
  • ゴーレム降臨! - 映画評論家緊張日記

    神田三省堂で滝誠氏と『ゴーレム100』刊行記念トークショー。「〈三省堂SFフォーラム〉史上最悪のグタグタ」とか言われてしまいました……すいません……無理矢理登壇していただいた渡辺佐智江さん、若島正さん、山形浩生くんどうもありがとうございました。まあ滝誠の知られざるSF史と自前でゴーレム・スタンプまで用意してきてくれる渡辺さんのラブリーさは伝わったと思うのでいいですよね。 グタグタすぎて話し忘れていたネタがひとつ。ベスターがさる雑誌の副編集長をつとめていたとき、まだルポライターだったピーター・ベンチリーから持ち込みがあったという。原稿を一読したベスターはベンチリーに向かって「これは長篇の第一章じゃないか。おまえはこのまま一生ルポライター稼業を続けていくつもりか? それとも一念発起して長編小説を書いて人生を変えるか、どっちだ!」と煽り、ベンチリーがそれに応えて書き上げたのが『JAWS』。つ

    ゴーレム降臨! - 映画評論家緊張日記
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    soylent_green 2007/07/08
    wikipediaの記述とは違っていた どっちが間違ってるのか どっちも正しいのか
  • 大日本人 (2007) - 映画評論家緊張日記

    誤解しないでいただきたい。この映画がつまらないことなど、ぼくは見る前からわかっていた。だからかけらも怒ったりはしていない。そして「こんなものは映 画ではない」などと言うつもりもない。そんなことを言えば松氏(あるいはその代弁者)から「年寄りの頭の固い映画評論家には新しい笑いはわからんのよ。 なんせ松は天才やからね」と言われるのはわかっている。だからそもそも見に行くのは嫌だったのだ。何言ってもそれに対する反論は最初から用意されている んだからね。しかし、それでもなお、ぼくは見に行ったよ。 そこにあったのは無だった。無。二時間の無。これはなんだろう? コメディではない。だって、ギャグはひとつもないし、ひとっかけらも笑えない んだから。でも人情ものでもない。松氏がぶつぶつと呟いているのを二時間見せられて、なんの人情を感じろというんだろうか? 怪獣映画でもない。CGの キャラクターが人のいない

    大日本人 (2007) - 映画評論家緊張日記
    soylent_green
    soylent_green 2007/06/13
    映画そのものが優越感ゲームのためのダシなので批評家は苦労する。しかしベスター読んで人間界に復帰って
  • 俺は、君のためにこそ死ににゆく (2007) - 映画評論家緊張日記

    監督新城卓 脚&製作総指揮石原慎太郎大元帥閣下 公式サイト 新城卓ってイマヘイの弟子なのね。イマヘイの門下生が慎太郎の指揮下でこんなキチガイ映画を作るっていうんだから世も末だな。 冒頭、伊武雅刀演じるところの大西中将が特攻作戦の意義を説明する。 「日は負ける。だが日の国体を守るためにはただ負けるわけにはいかない。日が白人の手から東南アジアを解放するために戦ったという信念を示すためには、国家の名誉のために若い者に死んでもらわなければならない!」 これ意味わかる? いくら考えても意味がわからない。負けるってわかってるんだったらできるだけ損耗を少なくして負ければいいじゃないか。 だいたい特攻作戦が無意味だってことは最初からみんな知ってるわけ。効き目があったのは最初だけで、新兵をボロ飛行機に乗せて飛ばすようになったら、特攻はお ろかひたすらグラマンに叩きおとされるだけになる。飛行隊の指揮官

    俺は、君のためにこそ死ににゆく (2007) - 映画評論家緊張日記
  • どんな映画になりたい? - 映画評論家緊張日記

    未來社のPR誌『未来』の3月号に載っていた岡田秀則の原稿(「草を映画」)が面白かった。映画フィルムに使われる乳剤の原料はいまだ合成されておらず、牛骨や牛皮から取れるゼラチンを使わなければならないのだという。 「私たちがこれまで映画館のスクリーンに見てきたのは、どれもこれも牛の体内物質を通過した光の跡なのである」 あるいは常識なのかもしれないが、ぼくは知らなかった。こういう話を聞くといろいろな夢想が進む。牛骨からゼラチンがとれるというなら、人骨からはどうなのだろう? あるいは量が少なすぎるかもしれないが、もし作れるとしたら? 遺言に「ぼくの骨からは映画フィルムを作ってくれ」と書いておいたら、骨からフィルムを作って、それをみんなで見てくれないだろうか? これはいいね。千の風になって漂ってるよりはずっといい。 もしそれが可能なら、どんな映画になりたい? やはりファスビンダー(『十三回の新月の

    どんな映画になりたい? - 映画評論家緊張日記