前島賢『セカイ系とはなにか』、もう少し落ち着いて再読。 所感は変わらず。私は前島さんと同じ「オタク第三世代」なんだけど、「私たち」の話でなく「彼ら」の話としか読めなかった。 『セカイ系とは何か』で語られていたのは、『エヴァ』に始まる、自意識を持て余す製作者と読者の話。その持て余した自意識が、悩める非力な主人公とか、メタ言及的な作品とか、作品に過剰に自己投影した評論になってあらわれてくるっていう。 流れとしてはよくできていた。「彼らの歴史」としてはよくまとまっていたと思う。 でもさ、私はそれを「オタクの歴史」とは認めたくない。何度もいってるように『Fate』と同じくらい『ToHeart2』だって売れた。『ToHeart2』や他の学園モノエロゲの名と、それを買っていたオタクの姿が、この「オタク史」には存在しない。 わかりやすく、おねかのえあの例を挙げてみましょう。この3作でいちばんの人気作は『