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ブックマーク / macgyer.hatenablog.com (23)

  • 秘められしラブストーリー:『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』 - 冒険野郎マクガイヤー

    そろそろ公開も終わりそうなので、書いておくことにする。 ここに1枚の画像がある。約30年前に作られた『トップガン』に出演した俳優が、現在(といっても2012年だが)どんな姿になっているかを示した画像だ。 この画像だけで、トム・クルーズが俳優としてどれだけ凄いか――バケモノなのかが分かる。特に、ヴァル・キルマーと比較すると分かり易い。ヴァル・キルマーは、バットマン役まで務めた経験がある。つまり、ハリウッドの俳優ランキングにおいて、トム・クルーズと比較的近い位置にいたわけだ。 ハリウッドでは、どんなにイケメンで面白くて演技力のある男優でも、アラフォーに近づくにつれて仕事が激減する。ヴァル・キルマーも、ジュード・ロウも、ジム・キャリーも、三十代後半から出演作が激減した。どんなにイケメンで面白くて演技力があっても、それだけでは駄目なのだ。 この、ハリウッド俳優にとってのミドルエイジクライシスから抜

    秘められしラブストーリー:『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』 - 冒険野郎マクガイヤー
  • 完璧な陥没乳首:『ゴーンガール』 - 冒険野郎マクガイヤー

    ゴーン・ガール 2枚組ブルーレイ&DVD (初回生産限定) [Blu-ray] 『ゴーンガール』鑑賞。なんだか色々と凄いものをみたような気がするが、一番凄かったのはエミリー・ラタイコウスキーなるモデルにして女優の陥没乳首だ。もはや陥没乳首のことしか覚えてないといっても過言ではない。 愛する二人が遂に結婚して夫婦となるが、そこはゴールではなく始まりで、夫婦生活のリアルってものはこうなんじゃ!――というような映画といえば、過去に『レボリューショナリー・ロード』や『ブルーバレンタイン』といった映画があった。もっといえば、これまでにやられていない表現をやることに意味がある文芸的作品において、「夫婦愛」ではなく「夫婦生活」といったものをテーマにした場合、そこで描かれるのは「皆が頭に思い浮かべる理想的な夫婦生活」ではなく「薄々気がついていたり、見ないふりをしていた、敢えて口には出さない夫婦生活の暗部」

    完璧な陥没乳首:『ゴーンガール』 - 冒険野郎マクガイヤー
    soylent_green
    soylent_green 2014/12/28
    「包茎が男として完璧でないのと同じく、陥没乳首は完璧な乳首ではない」
  • やおいとやくざ:『新しき世界』 - 冒険野郎マクガイヤー

    評判の良い『新しき世界』鑑賞。潜入捜査ものにして昨年観た『悪いやつら』と同じく韓国やくざ映画の傑作だと思うのだが、チェ・ミンシクの立ち位置含めて好対照だなと思ったよ。 悪いやつら [Blu-ray] やくざ映画の魅力とは何だろうか。「仁義」でも「侠気」でも「狂気」でもなんでもいい――我々が生きる一般社会とは全く違う、それでいてどこか憧れてしまう価値観に基づいて生きる男(時には女)たちのエクストリームな生き様を堪能できるところにあると思う。作品によっては、一般社会にもある様々なルールやしがらみ――義理とか人情とかビジネスとか常識とか――つまりは「仁義なき」最近の世の中の風潮に悩まされるやくざたちが主人公になるが、それでも彼らを通して映画が理想としているものはエクストリームな「仁義」や「侠気」や「狂気」といったものである。 だから大抵の潜入捜査ものは、一般社会のルールに縛られている潜入捜査官つ

    やおいとやくざ:『新しき世界』 - 冒険野郎マクガイヤー
  • 新しいホラー、新しいサスペンス、新しい映画:『ゼロ・グラビティ』 - 冒険野郎マクガイヤー

    『ゼロ・グラビティ』鑑賞。噂に違わぬ凄い映画だった。色んな人が今年のベストワンに挙げているのも分かるわあ。 作を語る際、多くの人が「リアル」という言葉を使っているのだけれども、自分にはリアルな宇宙開発を描いているとは到底思えなかった。 以下、なるべくネタバレにならないように書くけれども、気になる方は読まないように。 まず、宇宙服と宇宙船の気圧調整という点で大嘘をついている。 地球上の大気圧は1気圧*1。宇宙空間は真空なので0気圧。ここまでは常識の範囲内だろう。 ところが、大抵の宇宙服の内部は1気圧じゃなくて0.3〜0.4気圧なんだよね。内部が一気圧の宇宙服で真空に出ると、パンパンに膨らんで身動きができなくなるためだ。 かといって、膨らまない硬質の素材で宇宙服を作ると重く、大きくなりすぎて運用し難い。1気圧から急激に0.3〜0.4気圧に下げると減圧症が発生するという問題もある。そこで、数時

    新しいホラー、新しいサスペンス、新しい映画:『ゼロ・グラビティ』 - 冒険野郎マクガイヤー
  • シャブとものづくりのファンタジー:『シャブ極道』と『風立ちぬ』 - 冒険野郎マクガイヤー

    先日書いた『風立ちぬ』のエントリが未だにアクセス数を稼いでいてくれてニヤニヤしているのだが、少し戸惑ってもいる。 『風立ちぬ』って、そんなに難解な映画じゃないと思うんだよね。むしろ、『もののけ姫』や『ハウルの動く城』の方が難解――「映画」というものの定石から外れていて、意味を読み取るのに苦労する作品だろうと思うのだ。 主人公が世間の常識や良識から外れた俺ジナルな価値観を持ち、俺ジナルなライフワークに邁進している。 時に「俺ジナルな価値観」は「少年の心」や「聖なる魂」として描かれるが、世間から外れているという意味で同じである。 主人公は人格的に破綻したダメ男であるが、一方で凡人にはない強烈な魅力や能力を持っており、様々な人間がそんな主人公にシビれ憧れ、協力する。 中でもヒロインはダメさも含めて主人公に惚れ抜いており、ダメ男としっかり者のヒロインが様々な障害や挫折を、愛情と機転で乗り切っていく

    soylent_green
    soylent_green 2013/09/29
    風立ちぬからシャブ極道に持ち込む構成にしびれた。人生はシャブ極道の縮図だ。
  • ウルトラマンじゃなくておれが泣く:『ウルトラマンが泣いている』 - 冒険野郎マクガイヤー

    あちこちで話題の新書『ウルトラマンが泣いている』を読んだのだが、暴露というよりも「嗚呼、やっぱり」感が濃厚に漂うだった。 ウルトラマンが泣いている――円谷プロの失敗 (講談社現代新書) 円谷 英明 著者の円谷英明は初代社長 円谷英二の孫であり、二代目社長 円谷一の息子にあたる。シャイダーを演じた円谷浩の兄にあたる。 書では前書きと目次の後、円谷一族三代の家計図がわざわざ示される。何故か。書で記されるのは、祖父 英二と父 一の業績への賛辞、そして叔父であり三代目社長を務めた円谷皐の放漫&ワンマン経営への呪詛、その後社長を継いだ兄 昌弘と著者がどれだけ奮闘しても経営を立て直せなかった苦悩、そして社内クーデターと外部資による会社乗っ取り……等々である。更にその結末は、書の帯に書かれた一文通りだ。 つまり書で描かれるのは、円谷ファミリーによる勝者無き覇権争いなのだ。 著者の叔父 皐に

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  • この国に夢なんてない:『はじまりのみち』 - 冒険野郎マクガイヤー

    世の中には二種類の男がいる。マザコンかロリコンかの二種類だ。おれは前者なのだが、原恵一初の実写作品『はじまりのみち』はそれ以外の意味でもツボに入る映画だった。 『はじまりのみち』は映画監督 木下恵介が戦時中、脳溢血で寝たきりになった母をリヤカーに乗せ、50 km以上の山道を歩いて疎開したエピソードを映画化したものだ。 当時、木下恵介はプロパガンダ映画として監督した『陸軍*1』のラストが軍部の不興を買い、次作を撮れなくなってしまう。絶望した木下は松竹を辞し、浜松の実家に帰る。その浜松も度々空襲を受けるようになり、伊豆半島でももっと田舎に疎開しようとする。だが母は寝たきりなので、とてもじゃないけどバスに乗れないと主張する木下……といった状況説明が映画の冒頭で足早になされる。 木下惠介生誕100年 「陸軍」 [DVD] はっきりいって、欠点のない映画というわけでは決してない。冒頭は説明台詞が満載

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  • 『特撮仕事人 特撮監督 佛田洋の世界』 - 冒険野郎マクガイヤー

    「特撮博物館」の会期中に紹介しようと思っていたがあるのだが、ちょっと野暮用をこなしている間に終ってしまった。 それでも、全国巡業の検討もしているそうだし折角なので紹介しようかと思う。 「特撮博物館」で自分が一番不満だったのは、東宝に円谷にピープロまで紹介されているのに、東映特撮が全く紹介されていなかったことだ。 いや、理由はわかるんだよ。ゴジラやウルトラマンに比べて、ライダーや戦隊は順調だ。わざわざ負け組みと寄り集まってジブリ博物館の真似事なんてする必要ない。きっと、東映首脳部はそういった観点から参加依頼をやんわり断ったんだと思う*1。 でも、日特撮史を俯瞰してみた場合、昭和ライダーの怪人造形やスーパー戦隊の着ぐるみロボは絶対に外せないものだと思うんだよね。 なによりも『巨神兵 東京に現る』をジブリやスタジオカラーと共に製作した特撮研究所は1965年の創設以来、東映作品を手掛けまくりじ

    『特撮仕事人 特撮監督 佛田洋の世界』 - 冒険野郎マクガイヤー
    soylent_green
    soylent_green 2012/10/20
    「ロボはなかなかレオパルドンを超えるものが出てこない」そりゃあなあ
  • 死に場所探して生きるもよし:『アウトレイジ ビヨンド』 - 冒険野郎マクガイヤー

    『アウトレイジ ビヨンド』鑑賞。すげえ。残酷シーンを除いたら「やくざでポン」な前作とは全然違う映画だった。 北野武は日のイーストウッドなのではないかと考える時がある。俳優業との両立や、「死」や「暴力」といった題材の共通性だけではない。ヤクザ映画や西部劇といったジャンルの背負い具合、演技のバリエーションの少なさと、それを凌駕する一個の生き物としての異質さや凄みからなる魅力含めての話だ。 なによりも共通しているのは、自己演出の巧みさだろう。自分が背負うジャンルや、自分の人生や、自分そのものを題材にしても、もはや絶対にナルシズムといわれることがない。それは、いろんなものを引き受けて、深作欣二いうところの「シビアな闘争」を繰り広げてきたことを、皆が了解しているからなのだと思う。 北野武の映画は二期または三期に分けられる――というのがこれまでの定説だった。処女作である『その男、凶暴につき』から『ソ

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  • 社会を信じるか:『おおかみこどもの雨と雪 - 冒険野郎マクガイヤー

    『おおかみこどもの雨と雪』鑑賞。凄い映画だった。 一言でまとめるとシングルマザーのお伽話なのだが、狼男の子を生んだシングルマザーの話なのだ。世にシングルマザーの映画は数あれど、人外魔境で地底獣国出身の狼男の子を孕んだシングルマザーの映画を監督するのは細田守だけ! ……よくこんな映画作ったなぁ。 「おおかみ」が何の隠喩かであるかは映画を観た方にとっては一目瞭然なのだが、細田守の演出力により全く理屈っぽくなっていないところが凄い。同日に観た『メリダとおそろしの森』は「おおかみ」ではなく「熊」でそれら(の一部)表現しているのだが、中世を舞台にしている『メリダ』より現代が舞台の『おおかみこども』の方が全然ファンタジーでお伽話だったよ。 メリダとおそろしの森(ディズニー/ピクサー作品) [DVD] どうしても連想してしまうのは河島英五が歌ったアートネイチャーのCMソング「オオカミ」だよなぁ。旦那が正

    社会を信じるか:『おおかみこどもの雨と雪 - 冒険野郎マクガイヤー
    soylent_green
    soylent_green 2012/07/24
    育児がんばってくだしあ
  • 邦画はなにを殺すためにあるのか:『映画は父を殺すためにある』 - 冒険野郎マクガイヤー

    映画は父を殺すためにある: 通過儀礼という見方 (ちくま文庫) 島田 裕巳 島田裕巳の『映画は父を殺すためにある』読了。を読む遅さには自信がある自分だが、書はさっくり読めた。めっさ面白かったよ。 書の内容は、大きく分けて二つある。通過儀礼という観点からハリウッド映画を分析した部分と、日映画を分析した部分だ。 キリスト教文化圏にあるハリウッド映画を通過儀礼という視点で考えるというのは、今や真っ当すぎるくらい真っ当だ。冒頭ではジョセフ・キャンベルの『千の顔をもつ英雄』を引いているのだが、「分離」→「移行」→「結合(帰還)」という三部構造は、そのままハリウッド映画の三幕構成に通じる。父を――肉体的もしくは精神的に――「殺す」ことが大人になることであるというテーゼは「ビルドゥングスロマン」という言葉が使われ始めた19世紀初頭からあった。主人公を手助けする年長の男、通過儀礼を乗り越えた後に主

    邦画はなにを殺すためにあるのか:『映画は父を殺すためにある』 - 冒険野郎マクガイヤー
  • フード理論と映画的記憶(とジロリアン):『ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50』 - 冒険野郎マクガイヤー

    タマフルでお馴染み福田里香センセイの新刊を読了。 ゴロツキはいつも卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50 福田里香 オノ・ナツメ この、どんなかというと、映画やマンガといった映像・画像作品におけるべ物――「フード」の役割について延々と語るだ。 まず冒頭、著者は、自身が標榜する「フード理論」について、「フード理論三原則」という形で明快に説明する。 善人はフードをおいしそうべる 正体不明者はフードをべない 悪人はフードを粗末に扱う (追加:べものでたわいもないギャグをするのは憎めないヤツ) もう、この三原則を聞いただけで、様々な映画やマンガのシーンが頭に浮かぶというものだ。 自分はラーメン二郎狂信者――ジロリアンなのだが、ジロリアンの目から見ても「フード理論三原則」は納得できる。二郎をおいしそうべる奴はどんなにルックスがまずかろうが善人に違いないし、二郎を粗末に扱

    フード理論と映画的記憶(とジロリアン):『ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50』 - 冒険野郎マクガイヤー
  • 『ヤマト2199』に足りないもの:『バトルシップ』 - 冒険野郎マクガイヤー

    『バトルシップ』鑑賞。 「時代を反映している」「余計な人間ドラマが最小限」という二点において、世間で評判の悪い『ロサンゼルス決戦』が自分は大好きなのだが、全く逆の理由でこちらも大好きになってしまう映画だった。 作は地球外生命探査のため、衛星を経由して他の太陽系に電波を送るシーンからはじまるのだが、ここの表現で既に仰け反ってしまう。なんと、電波が光の線と大音量の音、すなわち「ビーム」として表現されるんだよね。これは製作者によるリアリティレベルの提示、「こういう映画だからつっこんでも無駄ですよ!」という宣言のように思えた。 その後、続くのはもの凄―く分かりやすくて、かったるい人間ドラマだ。あんなにボンクラな主人公がそうそう簡単に仕官になれるのかよとか、いかにも因縁を作るために用意されたサッカー試合なんかは笑ってみてられたのだが、とある理由で主人公が閉店したコンビニに忍び込むシーンにてピンクパ

    『ヤマト2199』に足りないもの:『バトルシップ』 - 冒険野郎マクガイヤー
  • 311以降の祝祭:かなまら祭 - 冒険野郎マクガイヤー

    先週の日曜日のことなのだが、川崎の金山神社にて行なわれるかなまら祭りに行ってきた。 かなまら祭りとはどんなお祭りかというと、大きなちんぽを乗せた神輿を担いで街を練り歩いたり、大根をちんぽ型に削って奉納したり、ちんぽグッズを売りまくったりするお祭りだ。愛知県の豊年祭やてんてこ祭り、新潟県のほだれ祭りなどが有名なのだが、首都圏では珍しい。 例年、かなまら祭りは4月の第一日曜に行なわれる。今年は4月1日だ。「川崎でピンクに塗られたでっかいちんこ型の神輿を女装したおっさんが担ぐ祭りがあるんだよ!」と友人を誘ったとしても、エイプリルフールと勘違いされる可能性が高かったりする。 ちなみに、一昨年も観にいったのだが、昨年は311の影響で神輿を自粛したそうだ。自分も祭りどころではない心境なので行かなかった。 かなまら祭りは日よりも海外で有名な祭りで、英語Wikipediaに単独項目があったりする。当日

    311以降の祝祭:かなまら祭 - 冒険野郎マクガイヤー
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    soylent_green 2012/04/07
    川崎のかなまら祭。でっかいまら!(というかけ声があるらしい)
  • マクロスとビッグダディのあいだ:『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』 - 冒険野郎マクガイヤー

    自分はアイドルと聞けば恵比寿マスカッツのことを真っ先に連想するくらい、アイドルというものに1ミリも興味が無い人間だ。そんな自分の友人の中にも、やれももクロだ、やれ腐女子シスターズだのと、口を開けばアイドルの話ばかりするアイドルオタがいるわけだが、そんなアイドルオタを、オタの中でも一段低い存在として心の中で見下したりしてした(正直スマン)。 だから、AKBのドキュメンタリーなぞ観るつもりも無かったのだが、毎週楽しく聞いているタマフルのシネマハスラーにて宇多丸がちょっとどうかと思うくらい熱く語っていて、驚いた。 「アイドル映画の金字塔にして臨界点」 「おれたちBUBKAチームが長年待ち望んできた映画……だが、当に実現して良かったのか?」 「西部ドームコンサートにてどんどんメンバーが倒れていくさまは、ほとんど戦争映画」 「日アイドルの到達点として、今絶対に観ておくべき映画」 大根仁もDig

  • カルチェラタン、トップクラフト……そしてスタジオジブリ:『コクリコ坂から』 - 冒険野郎マクガイヤー

    コクリコ坂から (スタジオジブリ, 宮崎吾朗監督) [DVD] 『仮りぐらしのアリエッティ』妄想エントリが思いのほか好評だったので、ブログのネタにでもすべえと半分馬鹿にしながら『コクリコ坂から』を観に行ったのだが、音楽が説明的でちょっとウザいところがあるものの、意外なことに結構良い出来の映画だった。やるじゃん、吾郎! 『ゲド戦記』との最も大きな違いは、映画的演出力の向上だろう。登場人物の心の動きを、台詞や心の声ではなく、ちょっとした仕草や第三者とのやりとりや意図的な省略でみせる、ってのは映画というメディアが持つ魅力の一つだと思うのだが、全部台詞で説明していた『ゲド戦記』に比べれば『コクリコ坂』の上手いこと上手いこと。 以下、ネタバレだけど、ネタバレしても面白い映画だと思うので、きっちり書く。 たとえば、一番分かり易い部分を挙げてみる。 もうCMで幾度となく放映されているので今更ネタバレにな

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    soylent_green 2011/07/22
    主人公たちが高校生ってのがよかったですね
  • 名も無きジブリの民:『仮りぐらしのアリエッティ』 - 冒険野郎マクガイヤー

    スタジオジブリって、もう完全に次世代を育成することを諦めたんだと思うんだよね。吾朗ちゃんこと息子の宮崎吾朗とか、名も無きスタッフとかが監督した映画が稀に発表されるけど、でもそれってポーズに過ぎないんじゃないかと思う。 それほどまでに宮崎駿や高畑勲の才能は圧倒的だ。スタジオとしてTVシリーズをやっているわけでもないから若手に演出のチャンスも回ってこない。何よりも、若手がジブリ映画を監督する場合は、駿や勲が実のところ全く気にかけていない「ジブリっぽさ」というものに、留意せざるを得ない。そこが作り手にとっては辛い所だろうし、受け手にとってはつまらない所になる、少なくとも自分にとっては。 借りぐらしのアリエッティ [DVD] だから、駿と勲以外のジブリ作品には興味が湧かなくて、『ゲド戦記』は怖いものみたさで観たものの、『借りぐらしのアリエッティ』はスルーしていた。 でも、ニコ生の岡田斗司夫ゼミで岡

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    soylent_green 2011/07/11
    みんななんでもかんでもメタファーとして読み取りすぎなんじゃないかと思った
  • リア充スコットの巡礼:『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』 - 冒険野郎マクガイヤー

    スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団 (エドガー・ライト監督) [DVD] 巷で噂の『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』を観たのだが、いまふたつくらい乗り切れなかったよ。 この映画、世間では『キック・アス』や『エンジェル・ウォーズ』と並ぶボンクラ映画とされているのだが、ちょっと違うと思う。自分が感じたのはナイトウミノワさんが書かれているのと似たようなことと想像するのだが(違っていたらごめんなさい)、ちょっと自分の言葉で説明してみることに挑戦したい。 まず「ボンクラ映画」とは何か? という問題がある。どう定義するかは、人によって様々だろう。 辞書をひいてみると、「ぼんくら」とはもともと「盆暗」と書く賭博用語で、「盆の中のサイコロを見通す能力に暗く、負けてばかりいる人」を意味する言葉だったという。 そこで、とりあえずエントリでは「ボンクラ映画」を下記のように定義したい

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    soylent_green 2011/05/22
    「日本でも「彼女がいる」「恋愛で悩む」ボンクラが増えてきてるってことなんだろうな」 けっ。
  • ネガの世界:伊上勝評伝 - 冒険野郎マクガイヤー

    自分はこの歳になっても日曜朝の特撮タイムを一週間の楽しみの一つにしているおっさんなのだが、おっさんになる遥か昔からウルトラマンやスーパー戦隊やメタルヒーローの方がライダーよりも好みで、現在も平成ライダーの方が昭和ライダーよりも好きだったりする。 理由は簡単で、ライダーはウルトラマンやスーパー戦隊ほど再放送しなかったからだし、ものごころついた時に放送されていたのがメタルヒーローだったし、昭和ライダーは平成ライダーほどソフト化の機会に恵まれていないからだ。 そんな自分にとって、伊上勝は謎の男だった。 金城哲夫のように研究が山と出版されているわけでもなければ、佐々木守のように著書や脚を務める作品が死の間際まで発表され続けているわけでもなかった。当然、市川森一や上原正三や長坂秀佳のように今も存命なわけでもない。日の特撮ドラマの原型を作ったと評されるにも関わらず、脚家としての活動時期は二十年

    ネガの世界:伊上勝評伝 - 冒険野郎マクガイヤー
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    soylent_green 2011/05/14
    最後の一行がひどいぜ!
  • 「古代進を演じているキムタク」を演じるキムタク:『SPACE BATTLESHIP ヤマト』 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな

    ちょっとピークを過ぎた感もあるけれど、巷で噂の『スペヤマ』(あるいは『バトヤマ』)こと『SPACE BATTLESHIP ヤマト』を観た。 自分は世代的なものが理由か、「ガンダム」にはのめりこめても「ヤマト」には関心を抱けなくて、オタク第一世代が「ヤマト! ヤマト!」と興奮しているさまを冷めた目でみたりしていたのだけれども、そんな自分も一応基礎教養として観にいかなくてはならなきゃと思ったのだ。 感想を書くと……これまた巷の噂と同じになってしまうのだが、思ったほどクソじゃなかった。この一文に尽きる。 クソじゃなかった原因はなにかというと、佐藤嗣麻子が書く脚――徹底的にハリウッド映画を参考にした脚の構造なんじゃないかと思う。きっちり三幕構成。有名俳優全員に作られた見せ場。ショックガンのレベルやら「アイ・ハブ・コントロール」時の揺れやらを利用して、それなりに回収される伏線。『K-20 怪人二

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