花王は17日、一般消費者向け商品の原材料調達から廃棄までの過程で発生する二酸化炭素(CO2)排出量を売上高当たり2020年までに05年比35%削減することを柱とする「環境宣言」を発表した。使用時の水使用量も同30%削減する。事業拡大と環境保全の両立を経営の基本方針に掲げ、商品の開発・販売態勢を強化することで、メーカーとして持続的成長を実現するのが狙いだ。 日用品は消費者と密接にかかわるだけに、最大手である花王の取り組みは環境問題への意識を高める効果も期待される。 ≪研究施設に160億円≫ 一連の目標を達成するために、約160億円を投じ、和歌山事業所(和歌山市)内に、環境分野の研究・開発機能を集約した施設「エコテクノロジーリサーチセンター」を11年2月までに新設する。延べ床面積は2万3000平方メートルと同社の研究施設としては最大。異なる分野の研究者が一つのフロアに集まるスペース