「生まれてきた意味は見つかったのか?」 道長の真摯な思い 京に蔓延する疫病。当時は天然痘や麻疹(はしか)などが毎年のように流行し、多くの犠牲者が街にあふれました。文字を教えていた少女、たねの訴えに、救護施設の「悲田院」に向かったまひろ。そのあまりの惨状に言葉を失いました。たねの両親も、そしてたね本人も命を長らえることはできませんでした。 苦しむ病人たちを見捨てることができず、看病するうちにまひろも倒れます。そして道長との運命の再会。病床のまひろに呼びかけた道長の言葉が、ソウルメイトの彼でなければ言えないものでした。 「生まれてきた意味は見つかったのか?」と。 第12回の「思いの果て」の廃邸でのやりとりを思い出します。道長が倫子に婿入りすると知り、妾になる道を断念したまひろ。「私は私らしく自分の生まれてきた意味を探してまいります」と道長に告げ、別れました。道長はその言葉をずっと心に留めていた