2021.01.27 病原体 インフルエンザの解熱後によくある再発熱は、再感染? 自然経過? それとも抗インフルエンザ薬の副作用? 著者:渡辺 彰 インフルエンザ経過中の解熱後に時に見られる再発熱は二峰性発熱と言われ、小児、特に年少者で多いとされています。発熱以外の症状はほとんどなく、再感染とは言えません。一方、抗インフルエンザ薬の投与に伴ういわゆる「薬剤熱」であると考えて抗インフルエンザ薬ごとの発現頻度を報告している論文が幾つもあります。本当に抗インフルエンザ薬の投与に伴う発熱なのでしょうか? 本格的な抗インフルエンザ薬であるザナミビル(リレンザ)とオセルタミビル(タミフル)が実用化されたのは2000~2001年です。この発熱が2000年以前には見られなければ、あるいは2000年以降でも抗インフルエンザ薬の投与がなかった例で見られなければ、この発熱は「薬剤熱」である疑いが強くなります。