アニメーションシリーズ構成:岡田麿里 脚本:花田十輝「コリオ=トニスを愛していると」たったひとつの台詞ですべてが報われるなら、それはきっと美しく、幸せな物語なのだろう。良回揃いの『戦う司書』から構成・脚本に唸らされた挿話をひとつ。1話以来続くコリオ=トニスとシロン=ブーヤコーニッシュの物語を締める4話、ガジェットと張り巡らされた伏線に感嘆の声をあげずにはいられない。シロンは250年前の人物で1000年先の未来をも予知する大予言者にして、神溺教団の真人。コリオの体内に爆弾を埋め込みハミュッツ=メセタを殺せと命じた教団の祖にあたる少女。コリオがシロンの本(生涯の記録)に触れたからといって、シロンが実は教団に操られ、己の意とはそぐわぬ生涯を送っていたことを知ったからといって、恋心を抱いてしまったからといって、シロンと心を通わすなんて到底出来るはずがない。意中の相手は大昔に死んでしまっているんだ―