ダイキン工業が、欧州で暖房・給湯事業を急速に伸ばしている。原動力は、ヒートポンプ式暖房機器。製品のラインアップを増やして販売を伸ばし、2019年には欧州のヒートポンプ式暖房市場でシェア1位の座を奪取した。カーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ)の風を捉え、売り上げを伸ばす好例だ。 欧州で進むもう1つの“電動化” 実は、欧州では燃焼式暖房が主流。ボイラーでガスや石油といった化石燃料を燃やして温水を作り、各部屋に設置したラジエーターに送って床暖房などに利用する「温水式セントラル空調」を採用したケースが圧倒的だ。ところが今、その欧州で暖房の“電動化”が加速している。燃焼式暖房は二酸化炭素(CO2)排出量が多いことから、その排出量がより少ないヒートポンプ式暖房への置き換えが欧州で進んでいるのである。