ピーク時で約8000人が関わった世界最大級のシステム開発案件だけに、みずほフィナンシャルグループ(FG)はプロジェクト管理に特に気を配った。傘下の銀行やシステム開発会社に横ぐしを刺す横断組織を設け、会社や部門間の利害対立を調整し、全体最適の視点で意思決定を下した。 プロジェクトの司令塔が「次期システムプロジェクト統括会議」だ。みずほFGの坂井辰史社長をトップに、みずほ銀行の藤原弘治頭取やみずほ信託銀行の飯盛徹夫社長らが参加し、月1回開く。新システム「MINORI」に関する事実上の最高意思決定機関であり、経営会議の直前に開催するのが通例だった。 その事務局としてプロジェクト全体を束ねたのが「次期システムプロジェクト統括PT(プロジェクトチーム)」だ。統括PTの傘下に各ユーザー部門に対応する企画部会や財務・主計部会など17の作業部会を置き、それとは別に部門を横ぐしにした3つのタスクフォース(T