富山大学は、ささいな出来事でも、その前後に強烈な体験をした場合、長く記憶される仕組みを解明した。それぞれの記憶を思い出す時に活動する神経細胞が重複することで、行動タグが成立することが分かった。 富山大学は2016年8月1日、通常ならすぐに忘れてしまうささいな出来事でも、その前後に強烈な体験をした場合、長く記憶される仕組みを解明したと発表した。同大学大学院医学薬学研究部(医学)の井ノ口馨教授らと、東京慈恵会医科大学痛み脳科学センターの加藤総夫教授らの共同研究によるもので、成果は同日、英科学誌「Nature Communications」に掲載された。 記憶は、経験時に活動した特定の神経細胞集団(記憶エングラム)として符号化され、それが再び活動すると、その記憶が思い出される。強烈な体験をすると、その前後のささいな出来事も一緒に長期記憶として保存される(行動タグ)が、これまで行動タグ成立の仕組み